「アヤ・ブレアの想い」(4.現実 −触手の快楽−)
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第1回
地面から背後に現れた,たった一体のクリーチャー。
その,たった一体のクリーチャーに,アヤの四肢は拘束されていた。
粘液の滴る何本もの赤黒い触手が,生温かい感触をアヤに与えながら,ヌルヌルと下肢を滑り上
がってくる。
ふくらはぎから膝へ…太腿へ……そして,敏感な内側へと回り込んでくる,うねうねとした触手
の群れ。
まるで,何本もの長い舌にヌラヌラと舐め回されているようだった。
その気持ち悪さに,思わず肌が泡立つ。
……くっ……何ておぞましい……
アヤは,目の前のグリストファを睨んだ。
囚われになっても,決して屈したわけではないという意志を込めようと精神を集中する。
異形の生物に,体をどうこうされようと,そんなことで弱みを見せるのが嫌だった。
だが,それがグリストファによる更なる責めに繋がることも十分に知っていた。
「反抗的な,イイ目をしている……流石は,歴戦のブレア捜査官だ。しかし,それだけに…美しい
ブレア捜査官が,快感と恥ずかしさに身悶えするシーンは見ものだな」
果たして,グリストファは笑みを浮かべる。
アヤは,平静を装った。
「つくづく悪趣味な男ね。それに……女一人をモノにするのに,体の自由を奪った上でネチネチと
いたぶるなんて,一人前の男のやることかしら。よほど,今までモテなかったのね」
「申し訳ない。確かに,これが私の趣味でね。前々から,こうやってブレア捜査官を拘束してみた
かったのだと大目に見ておいてくれないか。しかし……そうだな。心配は不要だ。そのうち,その
下劣なことをされて快楽によがり狂うことになる」
「どうかしら? モテない男のテクニックくらいじゃ,女が満足するとも思えないけど?」
「ふふふっ,心しておこう……」
グリストファの声に合わせるように,クリーチャーの触手は,太腿からミニスカートの奥へ……
そして上肢では,シャツの脇や襟元から内部へと滑り込んできた。
「ん……っ…」
生温かく濡れたヌメりを肌に与えながら,触手がスカート内部へと侵入してくる。
……っ……ぁ……入ってくる…っ……ん…ぅ……この感触…っ……
アヤは,堪えようとしながらも,ピクンと体を反応させた。
軽く開いたままの両脚は,触手に絡みつかれて閉じることが出来ない。
その最奥に到達した触手の群れは,スカートの内部で,太腿の内側や,脚の付け根である磯鶏部,
そしてヒップの丸い弾力を楽しむかのように,しなやかな肢体のそこかしこをイヤらしく淫らに刺激
してくる。
粘液に濡れた,長く熱い舌のような感触が,素肌に生々しかった。
……あ,ぅ…く…っ……クリーチャーの触手ごときに……体を…弄ばれるなんて……
アヤは,奥歯を強く噛み締める。
触手は,まだ一番触れられたくないソコには触れてこない。
しかし,それなのに…
「…っ…うぅ…っ……」
素肌の腹部をモゾモゾと這い上がってきた触手が,乳房の膨らみで大きく張り詰めたブラジャーの
カップに巻き付いてくる。
その感触に,唇から吐息が漏れた。
……は…ぁ……っ……どうして……このままでは……
何か…妙な気持ちが込み上げてくる。
アヤは,次第に余裕が消え,追い詰められていくのを感じていた。
ヌメヌメと光沢のある粘液を滲み滴らせた触手が,シャツの内部で肌を這うおぞましさ。
先ほどまで,そう思っていたことだったが……いつの間にか,その不快さは消えようとしている。
……こんなっ……っあ…ぅ……ん……気持ち悪い…はずなのに……
体を弄ばれているというのに,甘美な痺れと疼きが全身から沸き起ころうとしている。
「はぁ……く…っ」
ブラジャーのカップ越しに乳房が揉まれ,アヤは思わず息を呑んだ。
……何か…何かが…おかしい……
何か…まったく想定していなかった何かが,自分の体を押し包もうとしている。
「ふふふっ……ブレア捜査官は,その胸が敏感なようだな。男に揉まれるのもいいだろうが,触手
の愛撫もなかなかのものだろう? 無数の指とも舌ともつかない感触が,人間の男にはとても真似
できない代物らしいぞ。さあ,次はどこを愛撫して差し上げようか? それとも,もう大切なソコ
を触って欲しくて堪らなくなってきたかね? モテない男としては,女性を満足させるその辺の術
を,ぜひご教授願いたいものだがね」
グリストファの問いに,アヤは沸き上がる熱をひた隠し,冷たい微笑で見つめ返した。
眉はキリッと流麗な線を描き,グリストファに声のない冷笑を浴びせる。
「そういうことを言っている時点で,男としては失格ね……うぅん,恥だとさえ思って欲しいわ…
男だったら,他人に頼らず自力で掴むものだと思うけど?」
「確かにその通りだ……では,私も参加させてもらってよいかね?」
「私は,複数プレイだなんてそんな変態趣味はないの。お断りするわ…」
嘲るような笑みを浮かべた瞳ではあったが…。
「どうかな…? そんな大人しいセックスしか知らないのでは,少女も同然ではないかね? 変態
趣味まで味わってみてこそ,大人の女というものだと思うが? まあ,味わってみたまえ」
近づいてきたグリストファが,タイトなミニスカートを軽くたくし上げると,強気な眉が不快そう
に歪んだ。
「くくくっ……男どもの憧れの的,美しいブレア捜査官の体はどうなっているのかな…」
「あっ!」
グリストファの声に呼応して,背後のクリーチャーがアヤの細い腰を宙に抱え上げた。
それと同時に,両膝と両足首にも巻きついた触手が,アヤの長い脚を広げていく。
今まで,アヤの腰にフィットしていたデニム生地のタイトなミニスカートの中が,グリストファ
の目の前で,脚の付け根から下着まで一気に露わにされていく。
「や,やめてっ!……いやっ!」
抵抗どころか,膝を閉じることさえ許されない。
両腕を頭上に絡め取られ,完全に四肢の自由を奪われては,まるで為す術もなかった。
両膝と両足首を触手によって固定され,M字に開脚されたアヤの中心が今,余すところ無く完全
にグリストファの目に曝される。
無防備に広げられ,薄布をまとうだけの女のソコ……グリストファは目を細めた。
「ふふふ………いい眺めだよ,アヤ」
今まで秘められていたアヤの中心は,細やかな刺繍と模様に彩られた漆黒のシルクのショーツも
露わに,白く美しく伸びている太腿をより魅惑的に際立たせていた。
「あぁ………」
アヤは顔を逸らし,羞恥と悔しさに溜め息を漏らす。
……こんな恰好で…こんな風に見られるなんて………どうにかなりそう……
顔が熱く火照り,赤くなっていくのがどうしようもなかった。
自分が取引したのは「こういうこと」なのだと理解はしていても,気持ちがついていかず顔や声
の調子,態度に出てしまう。
「これはまた,随分と色っぽい下着ではないかね。この漆黒の光沢が,何とも言えず君の白い肌を
引き立ててくれているようだよ…淫らながら美しい。これが,男を魅了するブレア捜査官のご趣味
とは…この下着は,君のイヤらしい何かの願望かね? ふふふ,男どもが知ったら涎を垂らすこと
だろう」
剥き出しに広げられたアヤの膝を包むように,グリストファが手の平を乗せた。
「何をくだらないことを……っぅ……」
アヤの心臓が,ドクンと大きく鳴る。
……あぁ……ついに……
グリストファの視線を熱くソコに感じ,アヤは喘いだ。
「おや,どうしたのかね?」
「何でも……ないわ…」
「そうか。ならば……ふふふ…」
嫌悪感も露わに睨む瞳から目を離さず,グリストファは,ゆっくりとアヤの両膝を丸く円を描い
て撫で回し始めた。
……っ……こんな感覚………こんな男に………
アヤは,両手の拳をぎゅっと握り締めた。
脚を,それも太腿というイヤらしさを感じる処を触られる嫌悪感。
多分,グリストファは,そういった反応も楽しみとするのだろう。
ピクンと動きそうになる脚を,アヤは力を入れて懸命に抑える。
「無理せずに,嫌がってもいいのだよ……アヤの嫌がる声は悩ましそうだ」
「冗談。特にこの程度,何でもないもの。変態男を満足させてやる義理はないわ…」
「そうかね。では遠慮なく,君の肌を満喫させてもらおう……複数でね」
グリストファがそう言うと,シャツの中に潜り込んでいた触手が,再び一斉に妖しく蠢き出した。
「っ……ぁ………」
触手の群れはヌルヌルと体を這い,ブラジャー越しの丸い胸の膨らみに巻き付き,強弱のリズム
をつけて揉むような責めを与えてくる。
同時に,グリストファの指が,内側の太腿へと滑り込んできた。
「ふふふ……こんな風に触られた経験はなかろう? 変態趣味など知らないブレア捜査官?」
すべすべした瑞々しい肌を撫で回しながら,徐々に女の羞恥の部分へと手が這い進む。
太腿の内側を奥へ……更に奥へと……
「ん……ぅ……当たり前でしょ……私は,いたってノーマル…なの……」
「くくく,それは楽しみだ。私が,たっぷりとその体に教えてやろう……」
下半身を嬲るように,自在に動き始める指…
アヤは,背筋から寒気がざわざわと迫り上がってくるのを感じた。
秘部のすぐ近くまで迫り……黒いショーツラインに到達した指は,周辺を焦らすようになぞると,
再び白い肌を膝に向かって遠ざかっていく。
しかし,ホッとするのも束の間,手は再び股間に向かって愛撫を繰り返してくる。
何度も,太腿を撫で上げてくる手……そのイヤらしい手つきが堪らなかった。
……っ……ぅ……い…いや……そんな処……こんな男なんかに…………
秘部ではなく脚の付け根とはいっても,触れられる感触としては紙一重でしかない。
必死に羞恥と悔しさと闘ってはいるが,嫌悪する男にそのような処を執拗に嬲られ続けては,体
も気持ちもおかしくなりそうだった。
グリストファの手の動きとともに,アヤの頬が更に強いピンク色に染まっていく。
だが,羞恥心を表に出して,弱気なところを見せることはしたくなかった。
……いえ……まだまだよ……く…っ…絶対に負けないわ……
アヤは,瞳に苛烈な光を宿し,グリストファを真っ直ぐに睨んだ。
「…っ…は………ぁ……ぅ……」
「ふふふ…どうだね? 少しは,感じるかね」
グリストファの,勝ち誇ったような顔が恨めしい。
その手を力を込めて振り払い,再起不能になるほどの強力な一撃を,顔面に打ち付けてやりたい
衝動が沸き上がってくる。
しかし……
アヤは,正面にいる卑劣な男よりも,自分に対する怒りを感じていた。
体を触っているのがこのような男であるにもかかわらず,呼吸を乱し汗を滲ませ始めている自分…
このようなこと,愛がなければ身も心も満足できる行為ではない。気持ち悪いだけ……
そう信じていたアヤにとって,この自分の体の反応は裏切りでしかない。
恨めしかった。
アヤは,流麗な眉を強く上げる。
「何を…言っているの……こんな気持ち悪い触り方は初めて……それだけよ……」
「まあ,それくらいは我慢してくれたまえ……ふふ,何せ,モテない男が触っているのだからな。
それにしても,これは君がまいた種なのだよ。こんな,セクシーな黒い下着を私に見せつけている
んだ…ふふふ。男を誘惑した当然の報いだよ」
「下世話な話ね……女の…身だしなみとお洒落を…んっ……あれこれと自分に都合よく解説できる
のは…大した妄想だわ…」
「身だしなみ? お洒落? ああ……なるほどな」
グリストファの唇が,興味をそそられたようにゆっくりと歪んだ。
「もしかすると,今日は,カイル君との大切なデートの日だったのかな? それは悪いことをした。
ふふふっ,どんなにか甘い夜になるはずだったろうにな。二人のお楽しみを潰してしまって,申し
訳ない。許してくれたまえ」
グリストファは,声を立てずに笑う。
明らかに,からかうような口調。
アヤは唇を噛んだ。
精一杯,挑発する。
「分かっているのなら,罪を悔い改めることね。懺悔くらいは聞いて上げるわよ」
「悪いが,懺悔は趣味ではないのでね。代わりに,償いをしよう」
背後から,数本の指のような細い触手が,大きく開いた両脚の中心に伸びてくる。
太腿からも,グリストファの太い指が,脚の付け根に向かってツッと這い上がってきた。
「何……?」
「デートがキャンセルになって,独り寝ではこの体が辛かろう? カイル君に代わって,私がこの
体を満足させてやろう」
グリストファの視線は,黒いショーツの中心に微かに浮かび上がった,アヤの女の部分に向けら
れていた。
「正確に言えば,カイル君よりも先に……かな? さて,ブレア捜査官の味は?」
「……っ!」
太い指先が,縦に走る股間の丘に沿うように押し当てられる。
それを補佐するように,伸びてきた触手は,左右両側からショーツの中に滑り込んできた。
「ふふふっ……今夜は,カイル君にどんな風にされるつもりだったのかね? ここに,カイル君を
受け容れるつもりだったのだろう? ん?」
グリストファの指先が,大きく開かれたアヤの股間で黒い下着に食い込み,秘部を擦り上げるよ
うに上下に動き始める。
柔らかな秘肉が,指先にえぐられて悲鳴を上げた。
「あぅぅ…っ!……」
だが,それだけではなかった。
ショーツの中で,アヤのクレヴァスに群れた触手は,しっとりと濡れ始めた花びらを開き,グリ
ストファの指が深く埋まってくるのを助けている。
……あ…あぁっ……そんなことをされると……指が……指が…っ……
グリストファの指が,下着越しの愛撫では普通無理な奥まった処にまで届いてくる。
剥き出しの神経を,直接触られるような快感。
開かれた花びらを多数の触手になぞられ,火照り始めたクレヴァスを下劣な指に擦りえぐられる
と,アヤの腰に言いようのない快楽の衝撃が奔った。
「あっ………ああ……ぅ……いやっ……ぁ……あ…だめっ……」
恥ずかしい処を指で探られているという羞恥心が,感じ方を敏感にしてしまう。
そして……恥ずかしくて,嫌で堪らないことをされているはずなのに,その行為に悦びを感じて
いるとしか言いようのない自分の体…
アヤの思考の奥で,はっきりと危険信号が点る。
体の悦びは,次第に強く,深くなってこようとしていた。
まるで,今まで自分が待ち望んでいたことが,初めて得られたかのような……或いは,今まで知
らずにいた何かに,自分の秘めたものが目覚めたかのような官能さえ感じてしまう。
こんなはずではなかった。
……何ともない…はずなのにっ……どうして……この体はこんなにも……っ……
グリストファの指の動きに合わせて,腰は甘い疼きにアヤの制御から逃れようとする。
気をしっかり保っていなければ,腰はすぐにでも衝動的にくねり動こうとしていた。
疼きは,雪だるま式に膨れあがり,次第に耐え難くもじれったい焦げ付きとなっていく。
「くぅ……ぅ…っ……い,いや………」
それでもアヤは,必死に声を絞り堪えようとした。
グリストファは,楽しそうに見つめる。
「太腿から下着に向かっていくライン……何とも,美しい。そして……この下着の上品ぶったイヤ
らしさには,罰を与えてやらねばならんな。こうやって短いスカートで,イヤらしい下着を身につ
けて…君は,男に淫らな欲望を沸き起こすのが好きなのかね? ふふふ,感じるのだろう? 隠し
ても分かる。ピクピクと肌が震えて…ふふ,実は男にこうやって触られたかったのだろう? これ
を期待していたのだろう?」
「下品な…妄想ね……っ…ぅ……貴方は…最低の男…よ……ぁ…あっ……」
嬲られる腰を小さく痙攣させ,唇をわなわなと震わせ,それでも精一杯,瞳に力を込める。
……こんなこと……こんなことくらいでっ……感じ…ないっ……こんな男の指なんかで……感じる
わけがないっ……
アヤは,心の中で何度も同じ言葉を繰り返した。
そうしなければ,焦りに飲み込まれ,冷静さを欠いてしまいそうだった。
だが,淫らな陵辱は,まだ始まりを迎えたに過ぎない。
そのとき…
「嫌がる素振りを見せながら,素晴らしくセクシーな貌をするではないか。遠慮をすることはない。
本当は,声を出して悶えたいのだろう? そら,直接触られて,もっと気持ちよくなりたいかね?」
「はっ……」
ふっと胸の締め付けが弛み,触手に絡みつかれていたブラジャーが外された。
それと同時,グリストファの大きな手が,腹部からショーツの中に突っ込まれてくる。
気がついたとき,すっかりヌルみきった熱いクレヴァスは,ショーツの中で直接太い指に掻き分
けられていた。
「はぁ……あぁっ!……」
アヤは,大きく息を呑み,声もなく全身を仰け反らせた。
「はっ…くうぅ…っ……そんなっ…んっ……んんっ……い,いや…っ……」
込み上げてくる快感と官能の炎で,頭の中が熱く火照る。
アヤは,熱病にうなされるかのように体をくねらせ,頭を左右に振った。
……あぁ…っ……そんなっ……直接触られるなんて…っ……こんな恥ずかしいことっ……
アヤは,堪えきれず声を小さく漏らした。
太い指が直接クレヴァスをえぐり,花びら周囲をぐるぐると掻き回されると,脊髄から頭の中に
かけての神経が,バチバチと弾け閃く雷撃に灼かれる。
……そんな処,触らないで…っ……あぁあっ……指が…指が…っ……やめてっ……そんな触り方,
感じすぎてしまうっ……
どんなに心の中で拒絶しても,指に嬲られるソコは,何の抵抗もなくヌルヌルと受け入れようと
してしまう。
恥ずかしくて,どうにかなりそうだった。
「ふふふ……あんなに嫌がっていたくせに,もうこんなに濡れているではないか。そんなに感じて
いるのかね? 綺麗な顔をしていても,ココだけは別ものだな。ほら…こんなに音がしているのが
分かるかね?」
「あぁぅ……ぅううっ!」
アヤは,腰をビクビクと痙攣させた。
蜜の溢れるクレヴァスを浅くえぐり,秘肉を存分に捏ねるだけ捏ね回していたグリストファの指
が,今度は深く深く侵入してくる。
アヤの耳にも,秘められた処を探られる水音がクチャクチャとはっきり響いた。
……やめ…っ……それ以上…指を…進めないで……あ…いや…っ……触らないで…っ……
熱く蕩けてしまった秘部を,奥まで指を入れ込まれ,探られていく恥ずかしさ。
あんなに嫌がっていたくせに,もうこんなに濡れているではないか…
グリストファの言葉は,胸に突き刺さるほどの羞恥をアヤにもたらす。
嫌がっていたくせに,どうしてこんなに濡れてしまっているのか…
自分でも訳が分からない。
「私に触られているココ……そら,ココがアヤ,君のイヤらしい処だ……ふふふ…指の奥の方から,
アヤの熱いモノがどんどん溢れてきているぞ……分かるかね? もっと指を動かしてやろう…どう
だね? 中を触られると気持ちがいいだろう?」
膣壁を擦るように,体の内部で指がくねり始めた。
甘い陶酔感に息が止まり,宙に浮いた腰がガクガクと揺れる。
「ぁ…あ……ん……っくうぅ……だめ…っ…ぅぅ……っん……」
アヤは,必死に唇を噛み,声を絞った。
……我慢…しなければ……何とか,耐えなければ……っ……
このままでは,イカされてしまう…
愛の行為の結果でもないのに,下衆な男の指で,悦びを感じ絶頂に達してしまうなど…
それだけは,何としても避けたいことだった。
だが,確実に……体の芯は,女の敏感な処を責められて熱くなっていく。
また,それに輪をかけてアヤを責め上げてくるのが,盛り上がったシャツの内側でウネウネと蠢
いている触手の淫猥な存在だった。
……こんな………触手がここまでの動きをするなんて…っ……
アヤは,半開きの唇から息を吐き,喘いだ。
シャツの中で,丸く弾力のある乳房が,淫らに蠢くたくさんの触手をヌルヌルと擦り付けられ,
クネクネとした動きで揉み上げられている。
数本の触手は,その先端から更に細い糸のような触手を伸ばし,小さな乳首に集中して巻きつか
せてきていた。
「はっ……くうぅ…んっ…」
触手の群れに集中的に嬲られて,胸の先端が硬く尖る。
乳首に巻き付いた細い触手が,強弱をつけてその膨らみを締め付けてくると,思わず声を上げて
大きく喘いでしまいそうだった。
加えて,その先端を転がす,指のような……舌に舐められるような感触。
……い…いや……そんな風に…胸を弄られると…っ……変な気持ちにっ……
シャツの中で乳首に甘く疼く,今まで感じたこともない刺激…
そして,秘部の内部で,指を蠢かされる恥辱…
アヤは,汗で濡れた髪を振って天を仰いだ。
触手から滲み出る粘液だけではないものが,アヤの黒いショーツを濡らし,見る間に染み渡って
いく。
ヒップがグリストファの手に包み込まれ,抱き寄せられる。
「くくく……ご褒美だ。楽しませてやろう」
「あぁ……」
いよいよその時が来たことを感じ,アヤは溜息を吐いた。
ここまで恥辱を感じさせられ……もう,これ以上の嬲りは耐えられそうになかった。
早く終わらせて欲しい…
でないと,本当に気が狂ってしまう…
しかし…
「はっ……!」
グリストファの方に視線を向けたアヤは,信じられない光景に息が止まる衝撃を感じた。
あまりのことに,大きく息を呑む。
だが,現実だった。
「どうしたかね? 期待に胸が膨らみすぎて,声も出ないか?」
ショーツの脇をずらし,今まさにアヤのクレヴァスに埋まり込もうとしているペニス…
グリストファの股間にあるものは……生き物のように首を左右に振っている,太い触手だった。
第2回
「な…何……それは…」
アヤは,驚愕の目でグリストファの剥き出しの股間を見つめる。
「見て分からないかね? 君だって,男のペニスを初めて見るわけではあるまい?」
からかうようなグリストファの声は,悦楽の期待に満ちていた。
「でも……そんな馬鹿なこと……」
果たして……そこにあるのは,ペニスと言えるのだろうか。
太くエラを張った先端部,頭をもたげ反り返った大まかな形,ヒクヒクと脈打つ様子,そして太
さそのものから考えれば,少し大きめのペニスとも言える。
だが,よく見れば見るほど,その姿は異形のモノとしか言いようがなかった。
先端部周辺には,対象物に触れて様子を探るためなのか,多数の細長い触手がイソギンチャクの
ように生え,ザワザワ,グネグネと揺れ蠢いている。
また,胴体部表面を埋め尽くしている,突起なのか吸盤なのか分からない無数の物体。
その姿は,禍々しい淫靡さを色濃く放つ触手……と言った方が早い。
しかし……
「……まさか……そんなことって……」
その異常さもさることながら,アヤを呆然とさせていたのは,また別のことだった。
……嘘でしょ…っ……これは……そんなことって……
アヤの目には,その触手は初めて見るものではなかった。
間違いではない。確かに見覚えがある。
心臓が,ドクンドクンと早鐘を打つ。
それは,夢の中に出てきて蛇のような動きで自分を辱めた……あの触手だった。
あの夢の中で感じた無力感と,ドロドロとした淫靡な恍惚感が蘇ってくる。
「い…いや……そんな…」
アヤは呆然とした目のまま,首を振って喘いだ。
これは偶然なのか……それとも,あの夢は何かの信号だったのか。
ここに独りで来るべきではなかったのだ。
こんなのに勝てるわけがない。
このようなモノに体の内部を探られ,掻き回されてしまったら,あの夢のように自分は理性を保
つことも出来ずに狂わされてしまう…
「だめ…っ……そんなモノ入れられたら……私…っ……」
底知れのない深い快楽への恐怖に,アヤは掠れる声を漏らした。
その瞳からは,先ほどまでの強い光は消え,代わりに恐れと敗北感が浮かんでいる。
だが……
更に深く,アヤを恐れと敗北感に陥れたのは,グリストファの言葉だった。
「くくくっ……思い出したかね。コイツには見覚えがあるだろう? 何しろ,アヤを毎晩よがり狂
わせたモノなのだからな。愛しさのあまり,キスでもしたくなったかね?」
予想だにしていなかった言葉。
アヤは,数瞬の間,その言葉の意味が理解できなかった。
「……っ………ど…どうして…っ……」
アヤは息を呑み,やっとのことで凍り付く声を漏らす。
……どういうことなの…っ……どうして私のあの夢が……
意味が分からない。訳が分からない。
ただ,一つだけはっきりしているのは,自分にとって状況は確実に悪い方向に流れているという
ことだった。
得体の知れない恐怖が,アヤの心臓を鷲掴みにする。
意地悪く笑ったグリストファの顔は,人間離れした不気味さに充ち満ちていた。
「ふふふ……なぜ,君の夢のことを私が知っているのか知りたいかね? 別に驚くにはあたらんよ。
ほんの少々,アヤ…眠っている間に,君の細胞に呼びかけてみただけさ。快楽を与えてやろうとね。
私の意識を飛ばして相手の脳に注ぎ込む。つまり,私が考えたことを,そのまま相手の脳に伝える
ことができるというわけだ。分かるかね? ちょっとした研究の成果でね,そういう能力を得ること
ができたのだよ」
「そんな…そんなことをすれば,人の脳は混乱を起こすはず……どうやって……」
「眠っているときというのは,他からの信号に対して全くの無防備でね,与えられた夢でさえも,
自分の思考と感情に勝手に同調してくれる。事実,君の脳は混乱しなかった。あの夢を自分のもの
にしてきたのだろう? 欲求不満なのかという悩みさえ持って。ふふふ…信号を送って,私の意識
を君の意識とシンクロさせている間,君の反応が手に取るようだったよ。触手によって,悶え狂う
様子がね。くくくくっ…濡れただろう? この世のモノと思えないような快楽だったろう? ん?」
グリストファの体の異常もさることながら,話の内容は更に衝撃的だった。
……あの,悪夢が……ただの夢ではなかったというの?……
今まで,自分を苦しめてきた悪夢が脳裏に甦る。
あれは,グリストファによって,故意に見せられたものだったというのか。
「私に…あんな夢を見せたのは……貴方だった…と言うの? 馬鹿な……あり得ないわ…」
「それを言うなら,アヤ,君のパラサイトエナジーだって似たようなものだとは思うが?」
「それは……」
「自分だけは違うというのかね? 世界人類の中で,唯一君だけが持ち得た能力を,きちんと説明
がつく当たり前の能力だと言い切れるのかね?」
「で,でも……」
アヤの意識は,グリストファの言っていることを事実だと認めていた。
グリストファは,今まで様々なNMC研究所の資料を集めてきたと言った。
研究の成果を,一つに統合するためと…
……人間の科学力で,そんなことが可能だなんて……
可能なのに違いない。
誰もが非常識だと思っていることを,明日には常識に変えてしまうものが科学なのだ。
たとえ,それが狂気の産物だったとしても……
その科学の研究の一端として,グリストファはこのような能力を得たというのか。
……でも,何のために……
そう思いかけて,アヤはハッとした。
研究の結果であるのならば,それは……
背中がゾクリとした悪寒に包まれる。
「局長……貴方…人間を捨てて,NMCになったと言うの?」
見上げたグリストファの唇が,僅かに口角を上げるのをアヤは見た。
「最大の課題は,自分の意志と知能を失わないということだったがね」
どこまでも,アヤの予想を遙かに凌駕していくグリストファの言葉……
「そんな……なんてこと…」
グリストファの肯定は,アヤを打ちのめした。
「自分の意思と知能を,どうしても失ってしまうこと……これが,従来のNMC化する最大の課題
だった。しかし,私は気づいた。これは,NMCをただの強力な兵器と考えれば,それはそれで売
る側にとっても買う側にとっても都合が良かったという暗黙の事情によるものではなかったのかと。
つまりだ……この課題を克服することは不可能ではなく,実は可能だったということなのだ。何と
素晴らしいことだとは思わないかね?」
アヤの耳を,かつては人間だった男の声が滑っていく。
この男は…グリストファは,自分と同じ種類の生物となり果てたのか。
自分が求めてやまなかった,「人間」という立場をあっさり捨てて。
「それで…何がいいと言うの? そんな力のために「人間」であることを捨てて何がいいと言うの?
何て……愚かな……」
返答はなかった。
ただ歪んだ唇の端が,僅かに上がる。
「ふふふっ,そうか。最初から知性と意思を持つNMCの君には,このような話は興味がないかね?
それはすまなかった。では……お喋りの時間は,これまでとしよう…」
グリストファの手は,アヤの肩からデニムジャケットを剥ぎ取り,次いでたくし上げたTシャツ
から胸をはだけた。
パサッと,脱がされたブラジャーが地面に落ちる。
「ん…ぅ……はぁ……」
上半身の白い素肌を露わにされ,アヤは悲哀のこもった溜息を吐いた。
「ほぅ……なかなか,いい姿になっているではないかね。素晴らしい快楽だろう?」
Tシャツから姿を現した,何本もの触手に絡みつかれる白く形の良い乳房。
触手は,ヌメヌメとした粘液を肌に塗りたくるように蠢き,その吸盤で乳房に吸い付いている。
ザラザラとした突起は,微細な触手が群がる乳首の先端を転がし,絶え間ない刺激を与えていた。
赤黒い触手に嬲られる中,桜色の美しく鮮やかな色がアヤの小さな存在を示している。
「NMCはNMC同士,同じ人外の者で楽しもうではないか。人間の男には,到底真似のできない
快楽というものを教えてやろう。そら…正直になりたまえ。本当は,コイツを早くココに入れたい
のだろう?」
グリストファの股間から伸びた男根型触手が,アヤの蜜に溢れたクレヴァスを上下になぞった。
「まっ…待っ……ああっ!」
男根部先端から伸びた無数の触手は,周囲を探り,秘唇を掻き分け,敏感な珠に触れてくる。
神経を爪弾かれるような鋭い快感が奔り,アヤはビクンと腰を跳ね上げた。
「何だ,そんなに期待していたのかね? ふふふ……イヤらしい体だ。さて……」
「くぁ…ああ……あぁっ」
そのときが来たと思いながら,アヤは身をよじる。
受け入れがたい恥辱。
ただ苦痛の中で犯される方が,まだよかった。
このような…淫らな目的を極め尽くしたような触手に犯されたら……自分はどうなってしまうの
だろうか。
「今まで,さぞ待ち焦がれただろう? 夢で知ったあの快楽が,現実に与えられるのだよ。ほら,
まずは…先端だけ味わってみるがいい……」
「はっ…あぁっ……だめっ,こんなの…っ……んっぅあぁあぁぁっ!」
秘孔が押し広げられ,ヌルヌルと触手の先端が入ってくる。
現実では味わったことのない,その異常な快感……アヤは,腰を戦慄かせて悲鳴を上げた。
「くああぁ,っあぁっ!……や,やめっ……はあぁあぁっ!」
グリストファは,言葉の通りその先端だけを埋め込んでいる。
しかし……ただ入ってきただけなのではなかった。
人間の男のペニスとは違い,それは夢の中の触手と同じ動きで,生き物のようにクネクネと首を
左右に振る。
クレヴァスがよじれ,触手を包み込んだ入り口が,幾つかの突起に当たり擦られた。
「くぅぅっ……ああぁっ!」
夢の中で,散々に味わわされたあの快感が押し寄せてくる。
いや,現実はそれ以上だった。
……そんなところで…っ…暴れられるとっ…っぁ…あぁ…っ……気分がおかしくっ……
アヤは,ブルブルと体を震わせる。
ヌメる入り口に頭を突っ込み,クネクネと先端を振って暴れる触手の責め。
触手が頭をくねらせる度,違う角度で秘孔がグイッと押し広げられ,そのすぐ内側がグリグリと
擦り上げられた。
……はあぁっ!…そこっ…そこを刺激しないでっ…あっ…あっ!…んああぁっ!……
触手の侵入と嬲りを受けて,ヌルヌルとした秘孔に電気のような痺れが奔る。
神経の密集した敏感な処を集中的に嬲るその手練,それはアヤが今まで経験したことのないもの
だった。
「どうしたね? 私はまだ,先端しか入れていないというのに,随分と辛そうな声を出すではない
かね。ふふふっ……それとも,もっと奥まで入れて欲しくて焦れったくなっているのかね? どう
やら,ブレア捜査官は,この入り口を弄られるのが弱いようだが?」
「何を……っんん…ぅ…言って…っ……はっ……っあああっ!」
挑発的な言葉に,眉をキリッと上げて言い返そうとした瞬間,アヤの瞳が大きく見開かれる。
……何っ,これはっ!…中が…っ……くっ,ううぅんんっ!…
両脚をM字に大きく開かれ,引き寄せられたしなやかな腰の奥……自分を犯している触手の先端
から更に伸びた細い触手が,ウネウネと蠢き始めたのをアヤは知った。
「っくぁあああぁっ!」
無数の細長い触手が,群れをなして濡れた周囲を這い始める。
ただそれだけで,無数の舌責めを受けているようだった。
「いやああぁっ!…そんな処をっ…体の中で…触手を動かすのはやめてっ…っあ…くぅ!…だめ…
だめっ…あぁあっ!…ひうぅっ!……」
熱く熔けた膣壁が,たくさんの舌にまさぐられる。
ぴたぴたと敏感な膣壁をなぞり,触り,探られゆくおぞましい快感。
アヤは,腰をくねらせて逃れようとするが,そのようなことで叶うわけがない。
…だ…だめ…っ……こんなの…堪えきれない……っ……
逃れようのない悦楽に,白い閃光と痺れが脳内に奔る。
「っぅあああっ!…だ,だめっ…ああう…っ……こんなのっ…も,もういやっ!…あ,あくぅっ!」
アヤは,しなやかな背中と美しい腰を快楽によじり,狂おしく身悶えた。
弄ばれる体の内部は燃えるほどの熱さに包まれ,絶頂はもう目の前に迫っている。
だが,グリストファは,徹底的にアヤを追い詰めるまで,簡単に許すつもりはないようだった。
「ほぅ…ブレア捜査官は,入り口が弱いのかと思ったが,中の方もなかなか高い性感をもっている
ようだ。ふふふ……では,もう少し,キツめに責めてやろう」
「だ,だめっ…そんなのっ!…これ以上は…んんっ…うあぁっ!…いっ…ひあああぁっ!」
体の奥から,ゾクゾクとした悪寒が一気に噴き出してくる。
内部で蠢く一本一本の触手に,力がこもったのをアヤは感じた。
ただ周囲を探るのではなく,360度の全方向で,柔らかな壁を力強く掻き乱す淫魔の力……
力を増した触手の群れが,内部で絡み合いながら暴れ回る。
……つっ!……だめっ……イ……イッて…しまう……っ……
アヤは,絶頂の高波に強制的に押し上げられていくのを感じた。
上半身では,乳首の先端が触手の群れに舐め回され,甘噛みされるような感覚が奔る。
……はっ…あぁっ…我慢できない…っ……はっ,あっ……ぁ……も,もう…っ……
アヤは髪を左右に振って,汗の噴き出る肢体をのた打たせた。
瞳は潤み,荒い息が弾む。
「は…っ……もうっ…だめ……あぁ…ん…う……っ……くっ,んううぅんーーっ!」
背筋を絶頂の痺れが駆け上がり,アヤは白い喉を仰け反らせた。
……イッた……イッて…しまった………
哀しみが湧き上がる。
愛のない,ただ淫らな欲望に晒されたというのに……体は,かつて感じたことのない強烈な性の
悦びを教えられ,あっけなく絶頂を迎えてしまった。
……く…悔しい…っ……けれど…まだ……
アヤは,気力では抗うことが不可能な,快楽というものを思い知らされていた。
決して望んでいないにもかかわらず,身も心も征服されゆこうとしていることを感じる。
グリストファは,まだ,その一端だけをアヤに示したに過ぎない。
これから……更に激しい責めが,自分に襲い来る事は明らかだった。
第3回
……こんな男に…触手などに犯されて……イカされてしまうなんて……
快感を感じてしまうどころの話ではなかった。
アヤは,悔しさに唇を噛む。
犯されて絶頂に達してしまうなど,自分の淫らさを露呈してしまったも同然だった。
……違う,違う……私…こんなこと望んでいない……
そう否定しつつも,絶頂に向かっていくときの先ほどの興奮が蘇ってくる。
イヤらしい言葉…今までされたこともないような陵辱的な責め……
それらに,否応もなく燃え上がってしまった自分の体…
それは,今までに経験したことのない強烈な痺れを脳にもたらしていた。
絶頂を迎える前に,自分がどんな声を出しどんな顔をしていたのか容易に想像がつく。
悦んでいたと言われても,否定のしようもない……
……私は……
アヤは,グリストファの視線に耐えられず,顔を背けて目を瞑った。
そんなアヤの耳元に,グリストファの下品な言葉が囁かれる。
「凄く気持ちがよかっただろう? まずは,軽くイッたようだな? まだ,半分も入れていないと
いうのに,そんなによかったのかな? ふふ,あんなに男をそそる悩ましい声を出して…アヤも,
ここを,たっぷりと可愛がられるのが好きなのだろう? そら,そうだと言いたまえ。早くココを
奥まで犯して欲しいと……」
グリストファは,アヤの耳に舌をねじ込みながら,中指の腹をクレヴァスの上端に位置する小さ
な突起に宛がってくる。
「くく…っ…ぁ!……あ,ぁぅ…っ……んっ!」
アヤは,唇を強く噛んで声が出るのを抑えようとした。
これ以上の,恥の上塗りは何としても避けたい。
しかし,グリストファの指先は,ソフトにねっとりと小さな珠に絡みついてくる。
「ふふふっ,ココがどうかしたかね? 何だか,腰が震えているようだが? ココは最高だろう?
もしかして,もっとシテ欲しくて私の指を求めているのかね?」
「違う…っ…ん!…そんなことはっ…ぅ…あ!…っくぅ…んんぅっ!」
「そうかな? しかし,ココを触ってやると,随分と反応があるようなのはどういうことなのかな?
そら,少し軽く摘んでみるかね?」
「ひぃあぁぁっ!」
指に嬲られ,鋭い快感が腰から脳にまで響いた。
熱い液体に濡れるソコは,異常なほど敏感になっていた。
「やっ,やめっ!…ソっ…ソコはっ!…く,くぅんっ!…ぅあっ……あ,あ,ああっ!」
「ふふふ……男を誘う,イヤらしい顔だ。奥手のカイル君だけでは,この若い体が我慢できまい?
そら,『男』を咥え込むのは久々なのだろう? 必死に頑張ってはいるが,本当は欲しくて欲しく
て堪らないのではないかね? 幸い,ここにはカイル君はいない。私たちだけだ……ほら,正直に
なっていいのだよ。もっと奥まで欲しいと言ってみたまえ。それとも,指でココをイヤらしく触っ
てもらう方が好きなのかな?」
絶頂を迎えても責めを緩めない触手は,乳首に吸い付き,体の内部を掻き乱してくる。
そして,最も敏感な珠を,潰れるほどに摘み転がしてくる指…
女を狂わす手練としては,これ以上のものはない。
実際,これだけの快楽は経験したことがなかった。
多分,これがグリストファでなくカイルであったならば,何の遠慮もなく泣き乱れ,その首に抱
きついて,言われるがままに声に出して続きをせがんだに違いない。
しかし……
今,自分に快楽を与えているのは,卑劣な罠を仕掛けたグリストファであり,化け物としか言い
ようのない触手なのだ。
それだけに,屈辱感と嫌悪が胸に込み上げてくる。
「ふ…ふざけ……ないで……は…ぁっ!…うぅぁっ……」
アヤは,快楽にわなわなと震える体を堪え,声に懸命に力を込めようとした。
だが,その精一杯の強がりに,もはや力強さは無い。
「流石は,ブレア捜査官。これだけの快楽責めにも,容易には墜ちないかね? くくくっ…では,
もう少し素直になれるようにしてやろう。そら,今度は奥まで入れてやるぞ。アヤには,是非とも
その意気で頑張ってもらおうか」
薄く目を開けるアヤの前,からかうグリストファの顔がイヤらしく歪んだ。
「んぅ……うぅっ!…っあぁ…うあああぁっ!」
体をくねらせる触手が,ヌルヌルと押し入ってくる。
アヤは,悲鳴にも似た叫びを上げた。
触手が内部で頭を左右に振る度に,グチュグチュとくぐもった水音が体に伝わってくる。
……いやああっ! お,奥まで来るっ……あ…ああ…ダメっ…来ないでっ,入ってこないでっ……
ソコを掻き回されるとっ…ああぁ…もう…私,おかしくなってしまうっ!……
アヤは,自分の体が異常なほどの高まりにあることを感じていた。
先ほどまでの,焦らすような入り口周辺の浅い責め…
それによってドロドロに蕩け,鎮まらない炎に焦がれ疼いていた膣奥が,触手の蠢きによって根
こそぎ掻き乱されようとしている。
……来ないでっ…もうそれ以上はっ……あっ…ああんっ!…奥はっ…それ以上奥はダメっ!……
征服されゆく秘部から,全身に広がる凄まじいばかりの快感…
衝動的に自ら腰を沈め,触手を奥へ導き迎え入れてしまいそうになる。
触手はすんなりと奥には進まず,その滅茶苦茶な動きで狭い膣内を暴れくねっていた。
頭や胴体を周囲のヌメる壁に押しつけ,無数の突起が濡れた膣壁を強く擦り上げる。
「くああぁぁぁっ!」
神経が焼き切れんばかりの痺れが奔り,脳内が白く閃いた。
アヤの拘束された両脚が引きつり,白い喉が仰け反る。
頭を突っ込み,入り口を責め立てていた触手は,今や膣奥まで到達しようとしていた。
「こんなのは初めて経験するだろう? 何せ,人間の男には真似できない代物だ。愛などといった
ヌルいものでは,これほどの快楽は得られまい? そら,限界まで入れてやる。いったい,どこま
で入るかな?」
「ひああぁっ! んうぅんんーーっ!」
グリストファの声と同時,ズンとした重い快感を体の奥に感じて,アヤは歯を食い縛る。
それは,子宮に到達し,なおも奥に突き進もうと打ち当たった触手の衝撃だった。
「ふふふ……どうだ? ついに,この体を完全に征服された感想は? 意外と,幸福感に満たされ
ているのではないかね?」
「あ…ぁ…くっ……はっ…あぁっ…」
膣奥に感じる,体内をいっぱいに押し広げて埋め込まれた触手の圧迫感…
原形がグリストファのペニスということで,太さそのものは通常の男のものと比べ若干太い程度
でそれほど変わりはない。
だが,限界まで入れられた上に,内部でグルグルとくねり動かされる感覚は,たくさんの長い指
を突っ込まれて,内部を掻き回されているようなものだった。
「う,うぅん…っ…ダメっ…う,動かさない…で……」
「それにしては,男を欲情させてしまいそうな貌をしているぞ。ふふ,もっとシテ欲しいという貌
だな。では,このまま,アヤの中でグリグリ動かしてやったらどうなるのかな?」
「まっ,待ってっ…そんなの…っ…っぁ…くぅ…んっ…あああぁ…っ…」
うねり,回転し,頭を振る毎に,触手が密着した膣壁が激しくよじれ,その圧迫感に思わず息が
止まりそうになる。
アヤは,快感の混じった苦悶に喘いだ。
「はっ…あぁ……ぁぁ…っ…」
触手は,これ以上は侵入できない最奥まで余裕で到達し,なおも子宮の壁を押し破ろうとするか
のように頭を押しつけてくる。
膣内であってもくねり続ける触手……体を押し開かれた,その感覚は圧倒的だった。
「どうだね? 久々に味わう『男』なのだろう? カイル君に抱いてもらえなかったこの若い体,
欲求不満に焦れて辛かったのではないかね? 本当は存分に味わいたいだろう? さあ,遠慮する
ことはない。欲しかったら,自分で腰を動かしてみたまえ」
グリストファは,秘肉に太い杭を打ち込んだまま,腰を動かすことなくアヤの耳を舐めしゃぶる。
「く…あぁっ…う,ぅんっ…こんな…触手ぐらいでっ…」
アヤは,秘肉を燃え立たせながらも懸命に耐え,おぞましい舌の責めに首をよじった。
触手を埋め込まれたクレヴァスは,灼けるほどの熱にジリジリとした痺れさえ伴ってアヤを苛む。
いや,クレヴァスだけではない。
奥底まで貫かれた秘肉全体が,燃えるような熱さに包まれていた。
ドロドロとした熱い液体が,奥から次から次へと溢れ出てくる。
グリストファは薄笑いを浮かべて,その蜜をひとすくい指にとった。
「触手ぐらい? 触手ぐらいと言ったのかね? ふふふ,嘘をつきたまえ。そうではないはずだ。
この触手こそが,アヤの体が求めるものではないのかね?」
「何を…馬鹿なことを言って……るの…っ……ん…ぁ…はぁ…っ…ぁっ……」
グリストファの舌は,耳朶を存分に舐めしゃぶった後,ゆるゆると首筋に降りてくる。
アヤは,そんな責めに対してさえ敏感に反応し,苦しそうに上体をよじった。
舌先を避けようとして叶わず,切なく熱い息を吐く。
……ああ…全身が……感じすぎて…っ……もう…耐えるのが辛い……
正直なところ,これ以上耐えきる自信はなかった。
アヤを責め立てる,体内部での触手の動き…
それは,人間のペニスなど到底及びもつかない。
理性や抗いなどは無力であり,女の体を淫らに獣のように欲情させる魔物のような力を感じる。
魔物……まさに,淫魔だった。
……これ以上……こんなことされ続けたら…気がおかしくなってしまう……どうしたらいいの……
だが,そのとき…
アヤの体の奥で,また別の感覚が湧き起こる。
「……っ,んんうぅっ!?」
驚くアヤの視界で,グリストファが意味ありげな表情でニヤリと笑うのが見えた。
「なっ…何を…っ……いったい…」
「気づいたかね? 気持ちいいだろう? 私のコイツには,吸盤がたくさんあってね…ふふふ……
アヤのイヤらしい処に吸い付いてみたところだ。どんな気分だね?」
「なっ……」
アヤは言葉を失い,青ざめる。
異形の魔物さながらの,際限のない淫らな責め。
……そんな…っ……そんなことされたら……
体の奥底で,ゾクゾクとした静かなざわめきが始まった。
……なっ,この感覚はっ!?…ああっ,触手が中でっ…うっ,うあぁあぁっ……
下半身を埋め尽くした触手の吸盤が,蕩けた膣壁に吸い付いてくるのが分かった。
無数の吸盤は,そこら中に吸い付き,蜜を啜っては離れ,また蜜を求めて吸い付く。
多数の吸盤に,膣壁を吸われる感触は未知のものだった。
体の内部を,多数の舌に舐められながら甘噛みされるような…
或いは,何本もの指で優しく掻かれるような…
「ああっ!…はあっ…あっ…うっ…ん!…あぁぁ…はあぁっ!」
甘美な陶酔感に,堪らず喉から声が零れる。
「ふふふ…『触手ぐらい』なのだろう? この程度で音を上げてどうするんだね。それとも,堪ら
ないくらいイイと認めるのかな?」
「そんなこと…音を上げてなど…っ…ああんっ…んん…ぅ…いや…こんなの…よくなんかないっ…」
「ふふふ…まだ我慢するのかね? そらそら,腰を動かしたくて堪らなくなってくるだろう?」
グリストファの淫技の前に,アヤの体は為す術もなく翻弄されていく。
アヤは,悔しさに歯がみした。
どうして,自分の体は,こんなに狂おしく感じてしまっているのだろう。
どうして,こんなに唇を噛んでも,ウットリしたようなイヤらしい声を出してしまうのだろう。
こんなに気持ち悪いはずの,肌に触れる触手の感触が,決して不快ではないのはなぜだろう。
腰は,快感の痺れに麻痺し,僅かな隙をついて主人の意思から逃れ出ようとする。
何かのきっかけさえあれば,腰を振り立ててもおかしくないほどにアヤは追い込まれていた。
……そうだ……あんな夢さえ見なければ……
意識が乱れ,思考が白く痺れていくさなか,アヤはふと思い至る。
すべては,あの夢を見るようになってからだった。
少し長いものを見ただけで,何にでも触手をイメージしてしまうようになってしまったのは…
……そういえば……
悪夢によって苦しめられてきた,様々なことが思い出される。
勤務中,自動車のトランクに投げ込まれていたロープを触手と間違え,息が止まるほどの驚きを
感じてしまったこと。
パソコンの黒いコードが,どうしても襲いかかってくるような触手に見えて気になり,ドキドキ
としてデスクワークができなくなっていたこと。
そして,いつしか…現実で満たされないものを得ようとするかのように,夢の中の触手の陵辱に
対して,連続した絶頂を追い求めて腰を動かしてしまったこと。
……私は…いつの間にか…グリストファが言うように……
自分が,淫らなものを内面に隠し持つようになってしまったことを,アヤは自覚する。
カイルに抱かれる暇もなく,過ぎ去ってきた長い時間……
その隙を突かれたといえば,そうなのかもしれない。
この悪夢だけが,殺伐とした激務に身を置いたアヤを性の世界に引きずり込み,絶頂という体の
満足を味わわせるものだった。
……私は……
アヤは,意識の中に,育ててしまったものがあることに気づいた。
触手の快楽を待ち望む声を。
たとえ,それが意図的にグリストファに与えられたものだったとしても……
アヤの心の内を見透かすように,グリストファの声が降ってくる。
「夢の中の君は,積極的だったと記憶しているのだがね。自分から,あんなに腰を振っていたでは
ないか。くくくくっ,初めてのときは,おずおずとぎこちなくて初々しかったものだが。もっとも
最近では,イヤらしい腰つきに相応しい,よい動きをするようになって……」
「やっ,やめてっ…いやっ,違う,違う…」
夢の中での自分の行為を指摘され,アヤはグリストファの声を遮った。
しかし,事実だった。
確かに,自分は夢中になって快楽を求めてしまった。
辱められ,体を汚されても,それを超えて絶頂を迎える快感を知ってしまった。
それが証拠に,今も……
四肢を拘束され犯されているというのに,淫らな気持ちが抑えきれず溢れてくる。
「ふふふっ……腰が痙攣してるようだぞ。あまり無理はよくないな。我慢せず,体の欲求に素直に
なってみた方がいいのではないかな? そら,どうだね?」
「ああうっ! 我慢など…っ……くっ,あっ,あぁあああっ!」
膣奥で,触手が軽くうねる。
焦らすようなグリストファの責めが,ジリジリと秘肉を灼き焦がしていた。
痛いほど尖りきった小さな乳首は,ヌメヌメとした細長い触手の群れにまとわりつかれて甘い疼
きを奔らせる。
「麻薬を知った人間は,理性でどんなにそれを我慢し抑えようと努力しても,忘れることは出来な
い。脳と体が,快楽を覚えてしまうからだ。アヤ,今の君がまさしくそれだな。私によって見せら
れた夢であると分かっていても,その快楽が脳に刻みつけられて忘れられまい?」
背後から,アヤの四肢を拘束するクリーチャーが,正面から太い杭を打ち込まれたクレヴァスに
触手を伸ばし,サワサワとソフトな愛撫で撫で上げてくる。
「何を勝手なことを……そんなことで…くっ…あっ…ううぅ…い,いや…ぁ…」
多数の触手を絡め,獲物の味を確かめるイソギンチャクのような動き…
クレヴァスに伸びてきた触手の群れは,熱い蜜が滴り垂れてくる秘唇を押し広げ,濡れた花びら
に一斉に吸い付いていた。
決して激しくはないが,執拗にアヤを追い詰めてくる細やかな刺激。
「まさに,夢というのは脳内麻薬というものだな。何度も見せられれば,次第にそれが自分の願望
になっていく。パラサイトエナジーを持つ無敵のブレア捜査官とて,例外ではない。ふふふ…よく,
ここまで耐えたものだ。だが,コレが最後だ……耐えられるかな?」
「あ,ああぁぁっ!」
アヤは,狼狽の声を上げた。
子宮にまで到達した触手の先端…
そこから伸びる,細長い触手の群れが,再び周囲を掻き乱し始める。
ただ,今度は,微細触手が探るのは膣壁ではなかった。
先方に,小さく立ちはだかる子宮の壁…
そこに,微細な触手の群れが取り付くのがアヤの脳裏に浮かぶ。
「あぁっ! はあああっ! んっ,あ…っ……な,何をっ! っうああぁぁっ!」
壁をなぞり,探りながら……ついに触手が,子宮入り口への侵入を果たしたとき,アヤの脳内で
何かが弾けた。
「あっ…やっ,やめてっ…んうあああぁっ!…だっ,だめっ…ソコはいや,いやあああっ!」
触手の子宮への侵入から逃れるためなのか,絶頂を追い求めるためなのか…
アヤは,思わず腰を大きくよじって触手を半ばまで引き抜いた。
「うあぁあああっ!」
引き抜かれる刺激に耐えきれず,更に腰がガクガクと大きく動く。
断続的な強い痺れが秘肉に奔り,悲鳴を再び上げかけたところで,ズシッとした勢いで触手が奥
まで打ち込まれる。
それが,アヤの忍耐の最後だった。
ひゅうぅっと呼吸を絞りながら,アヤは,もうどうにもならないことを知る。
……あ…あ……イク…イッちゃうっ……ダメ…体が勝手に…もう…止められない……
アヤの,曲線美に満ちた全身が反り返った。
我慢に我慢を重ねた欲求が,奔流のようにすべてを呑み込んでいく。
「あ…あ…ふぁ…ぁ…もう……ダメ……っうあぁぁああぁーーっ!」
アヤは,ついに自ら,豊かな腰を激しくくねらせて絶頂に達した。
「はぁ……はあ…あっ!…んっ!……はぁ…ぁんっ!」
絶頂に達したというのに,体の奥で燃えさかる官能の炎はまるで収まる様子がない。
膣奥どころか子宮内部まで犯される感覚に,強いうねりが沸き上がる。
アヤは,全身をヒクヒクさせながら小さく喘いだ。
……ああ…動いちゃだめ……腰を…動かしちゃだめっ……
しかし,必死に堪えようとする心の声はただの呟きにしかならず,肝心の腰は赤面したくなるほど
の淫らな動きで,触手の快楽を味わおうと前後にくねり続ける。
「あああ!…あっ…ああっ…ダ,ダメっ!…こんなのっ…あっ!…あ,あううっ!…」
腰を動かせば,膣壁が無数の突起に擦られていく。
それが分かっているのに,腰の動きを止められない。
内部で,首を振り胴体をよじらせて動く触手…
……や,やだっ……ぐちゃぐちゃに…ぐちゃぐちゃにされてしまうっ……
体の中で,敏感な膣壁を隙間なく嬲られる感覚が駆け巡っていた。
秘肉は悦びの悲鳴を上げ,小刻みな痙攣とともに触手を強く締め付ける。
「くぅあああぁっ…!」
締め付けたところで触手に動かれると,抗い難い甘美な快楽に包まれた腰は更に激しくくねる。
……感じちゃダメっ……腰を動かしちゃダメ…なのにっ……
自らの腰の動きで,触手を膣奥まで迎え入れ,子宮を突き打たせながら,アヤはそのジンジンと
した快感に,数度目となる次の絶頂が目の前に迫ってくるのを感じていた。
……このままでは……いけないっ…何とかしなければ…っ……
アヤは,白みかけた意識の中で,必死に踏みとどまろうとする。
すべては,最初から仕組まれていたことだったのだ。
自分を,たった独りでここに誘い出すための…
恐らく,各地で頻発したクリーチャーの出現も,グリストファの計略によるものだったのだろう。
あの夢を見せ,あの景色を見せれば,それを解決しようと遮二無二ここにやってくるのは目に見
えている。
そして……触手の快楽に堕とし,アヤという最高の抵抗戦力を削ぐ。
しかし,何のために……
それも,クロカワまでも引きずり込んで…
……グリストファは…これから,何をしようとしているの……
例えばこうして自分を犯していることにも,何かの意図があるはずだった。
だが,結論は出ない。
出ないながらも,それをさせるわけにはいかなかった。
「ふふふ……アヤ,私もそろそろ満足させてもらうとしようか……」
「……つっ」
触手の動きが大きくなってきたことは,アヤ自身も感じていた。
いよいよ自分は,完全に汚される…
そのときが来たことに,アヤは覚悟した。
と同時に,アヤの胸にはある賭けが生まれる。
……その瞬間を,狙うことができれば……そうすれば……
触手が,グリストファの男根である以上,満足というのは射精を示すものだろう。
触手であっても,射精はある…
そこが勝機になる……アヤはそう考えていた。
……汚されるのは,悔しいけれど…そこが最大のチャンス……それしかないわ……
その汚らわしいものを自分の中に放った瞬間,そのときがグリストファが無防備さを晒すとき…
その隙ができた僅かな瞬間を狙って,グリストファを内部から焼き尽くす……
……カイルやイブを危険な目に遭わせるわけにはいかないわ…一瞬で…クリーチャーに指令を出す
暇もなく,一瞬で焼き尽くさなければ……
アヤは,迫ってくる絶頂の波を懸命に堪え,一瞬の集中に賭けた。
「そらっ,イクぞっ……」
グリストファの声と共に,最後の大きな一突きが子宮に打ち付けられる。
「…っつううぅっ…!」
熱い飛沫が注ぎ込まれてくるのを感じながら,アヤは自らの絶頂の叫びを歯を食い縛って堪えた。
そして,その一瞬…
……今っ!……
アヤは,全身全霊をかけたパラサイトエナジーを解放する。
余力も残さない勢いで,最高最大のレベルでミトコンドリアに命じた『コンバッション』の発動
は,グリストファを骨も残さずすべてを内部から燃え上がらせるはずだった……
だが…
「っ……!?」
発動はしなかった。
目の前のグリストファは,満足そうな笑みを浮かべたまま何の異変もなくそこにいる。
「どうした? 何かしたのかね?」
「そんな……ことって……っ…ぁ…うぅんんっ」
グリストファは,涼しげにアヤの瞳を覗き込み,ふふふと笑った後,両手で抱え込んだ腰をぐっ
と引き寄せながら,欲望の濁液を最後の一滴まで注ぎ込んだ。
第4回
「どう…して……」
絶望の中に見いだした小さな勝機さえ潰え,アヤは背後のクリーチャーに力なく身を預ける。
恐らく,グリストファは,自分が何をしたのか知っている。
いや,最初から予測していたのだ。
あの瞬間に,『コンバッション』を発動させることを…
だから,それを封じる手段を持った上で,コトに及んだのだ。
……そして私は…取り引きの約束を破り…従う振りをして攻撃を行った……
弁解の余地がない。
こうなった以上,いったい何が自分を待ち受けるのか…
イブ,カイルの安否は…
アヤは,張り詰めた面持ちでグリストファを見上げる。
だが,グリストファは,笑みさえ浮かべてアヤを見つめていた。
「生物における大原則なのだよ…ふふふ」
謎かけを楽しんでいるような雰囲気。
それは意外な態度,そして予想外の言葉だった。
アヤなど,何時でもどうにでもできるということなのだろうか。
絶対的な勝者の余裕を漂わせて,グリストファはアヤを見下ろす。
「生物の…大原則…?」
それが,この現象の答えだというのか。
アヤは,訝しげにグリストファを見上げた。
余裕に満ち,ゆっくりと話を始めるグリストファには,可愛い研究生に教え諭す大学教授か博士
のような威厳がある。
「そう……生命を連続させていく生物個体であれば,DNAに刷り込まれた情報といってもいい。
それ故に,決して逆らうことのできない本能的なものとも言うことができる……ミトコンドリアの
ごとき寄生生物にも,その程度の約束事はあるらしいな」
「…情報…約束事?…何の…ことなの…」
理解できず,不安感を拭い去ることができないアヤに,グリストファは柔らかな笑みで応えた。
「分からないかね? なに,簡単なことだよ…屈服したメスは,自分を征服したオスに逆らうこと
ができなくなり服従する…それが,太古からの生物の大原則だ。ミトコンドリアとて例外ではない。
君は,私に屈服を感じたのだな? だから,その思念は,そのままミトコンドリアに伝わるものと
なり,結果としてパラサイトエナジーによる攻撃は無効となった……どうだね? これで君の疑問
は解決できたかね?」
「……っ」
ニヤリと笑った顔に,アヤは言葉を失った。
やはり,先ほどの攻撃は,あらかじめグリストファに読まれていた。
改めて,グリストファが切れ者であることを痛感させられる。
しかし,それ以上にアヤを驚愕させたのは,ミトコンドリアに関する新事実だった。
「そんなことが……」
グリストファが,本当のことを喋っているという保証はない。
だが…グリストファの,この研究者然とした『熱』は並大抵のものではなく,MISTの局長と
しては極めて異例なことといえる。
研究者と局長とでは,あまりに立場・範疇が違うのだ。
よほど,以前に大きな何かがあり,この研究にのめり込む元となったのだろう。
そんなグリストファが,自分の研究について嘘をついてまで,自分を騙そうとするだろうか。
……いったい…グリストファは,どこまで研究を進めたというの……
アヤ自身,そこまで自分のことを理解していたわけではない。
……パラサイトエナジーに,そのような秘密が隠されていたなんて…
疑問と興味をそそられ,引き込まれ始めたアヤに,グリストファは悠然と続ける。
「もちろん,誰にでもそういう現象が起こるというわけではない。君も分かっている通り,パラサ
イトエナジーは精神や意識の感応が媒介となる能力だ。つまり,そうしたいと望む強い意識を持っ
ていることが第一条件となる」
「第一条件……」
「そう,君がミトコンドリアに意識を伝えて,能力を発現させるのと同じだ。そうなりたい,そう
したいという意識を,ミトコンドリアに伝えられるだけの強い精神を持っていることが必要という
ことだ」
「でも……そんなことぐらいでは…」
「そうだな。その程度であれば,私も苦労するものではなかった。もう一つの第二条件,これが本
当の条件というべきものだな」
「それは……」
「相手のミトコンドリアからの発信を受け取れるくらいまで,自分の体内のミトコンドリアを覚醒
させておくこと,これが第二条件となる」
「そんなこと…人為的に簡単にできるものではないわ…」
「だから,君を抱いた男たちが全員,そうなるわけではない。しかし,逆から言えば,自分のミト
コンドリアに覚醒する準備ができていれば……可能性としては,ぐっと高くなる」
「では…貴方は……」
「分かっているだろう? 君のミトコンドリアに働きかけ,意識を夢の中に流し込んでいたのは誰
だと思う? 私は,それを数日に渡って続け,スムーズにできるようになったのだよ。アヤ…君の
ミトコンドリアとの共鳴能力・交信能力は,完璧だ」
空気までが紅く染まる美しい夕焼けの中,グリストファは爽やかに笑って付け足す。
「もちろん,ミトコンドリア上の順列では,私の方が上という意味でな」
思考力と知性を失わないNMCとなった男は,目を細め,口元に笑みを浮かべた。
「なんて……こと」
アヤは,呆然と呟く。
それは,人類にとって,新たな強大な敵の出現を意味するものだった。
……ここまで…準備を進めていたなんて……
これでは…自分のパラサイトエナジーは通用しない。
このままグリストファが力をつけていった場合,誰がグリストファを倒すというのか。
さっき,グリストファは,意思と知能を失わないクリーチャーの生産が可能だと言った。
……そういえば……
アヤは思い返す。
先ほど,アヤと対峙したクリーチャーの集団…
あれに,そうした知性は感じなかったが,今までのNMCではあり得ない,一糸乱れぬ統率の取
れた動きをしていたのは確かだった。
……支配……
グリストファは,思念を送る能力を持っている。
あの集団を動かしていたのは,グリストファだと言える。
あるいは,戦いに長けたクロカワか…
そうした高い知性と思考力を持つ指揮官が,一刻毎に変化する戦いに合わせて,瞬時にNMCを
思いのままに動かすことができたら…
いや,上位のNMCをつくり,部隊の指揮官として組織し,機能させ始めたら…
……もし…そんなことにでもなったら……
MISTに,それを阻止するだけの能力は…ない。
敏捷性,耐久力,攻撃力,そのどれもが人間のそれを遙かに凌ぐNMCに,もはや人間が勝てる
術は見当たらない。
アヤの目に,為す術もなく次々と倒されていくMISTの仲間たちが浮かんでくる。
罠にかけられ,引き寄せられたところで各処で分断され,各個撃破を受ける仲間たち。
……いや…そんなこと…絶対にさせない……
その光景を,想像しただけで身の毛がよだつ。
しかし,どうすればいいと言うのか。
確かに,グリストファの意図は,今ならばまだ阻止することは可能なはずだ。
アヤのパラサイトエナジーが通用しないとは言っても,グリストファ自身に特別強大な戦闘力が
あると決まったわけではない。
それ以外のNMCをアヤの力で片付けてしまえば,グリストファがどれだけ危険な男であっても,
MISTでどうにかできるはずだ。
……でも……
敵対することを決めれば,イブやカイルの命はない。
何より,アヤ自身がグリストファの手の内にある。
……私は……どうすれば……
思い悩むアヤが,態度の決定を迫られたのはすぐのことだった。
「さて,アヤ……残念だが」
わざとらしく,大きな嘆息だった。
「ミトコンドリアだけでなく,君自身にも,自分の立場を理解してもらう必要があるな」
「はっ…!!」
アヤは,大きく目を見開く。
その瞬間,自分の脳の中に流れ込んでくる映像…
それは,アヤの帰りを待つカイル,そしてイブの姿だった。
「あ…ぁ……これは……」
「彼等が見えるかね? さあ,これからどうしようか…」
それは,グリストファが送り込んだと言っていた,クリーチャーの視線であるのに違いない。
クリーチャーの見ている映像を,グリストファによって見せられている…
その意味するところは,一つしかなかった。
約束を破った罰を与えられる…!
「まっ,待って……お願い…いや…っ……それだけは……」
アヤは,恐怖に顔を歪めて喘ぐ。
アヤの視線の先で,買い物袋を抱えた二人が,笑顔で道を歩いている…
その無防備な背中を冷たく見つめていることに,アヤは戦慄していた。
……どうして,気づかないの!? カイル! イブ! 敵がすぐ後ろにいるのよ!……
アヤは,ハッとする。
この視線の高さ……この下から見上げるような視線は…
……犬?……
だから,危険に気づかないというのか。
だが,本当は犬のわけがない。
犬の姿に擬態した,NMCであることは明白だった。
……カイル! イブ! そこにいるのは,犬ではないの! お願い,早く気づいて!……
自分が生命の危機に晒されることより,それを遙かに上回る恐怖に胸が締め付けられる。
クリーチャーの視線は,徐々にカイルとイブの背中に迫っていく…
「やめてっ! お願いよっ! もう分かったわ,何でも言うことを聞くから許して!」
アヤは,思わず叫んだ。
はあはあと荒い息をつくアヤの胸で,心臓が激しく鼓動を打っていた。
「なるほど……では,この辺で十分としよう」
グリストファの声と共に,映像は消えた。
「分かったわ……お願い…許して……もう二度と…決して逆らったりしない」
冷たい汗が,背中をびっしょりと濡らしている。
こんな恐怖には耐えられない。
アヤは,本心から答えた。
「不安がる必要はない。アヤが,私に協力すると約束してくれれば,彼らを傷つけることはしない
と誓おう。それでいいな?」
アヤは,俯いたまま無言で頷く。
本当は冷静になって考えれば,何か他によい方法があるのかもしれない。
……でも…でも,どうすればいいの……
自分は今,とんでもないことを取引している…
それを理解していながら,他にとるべき道を見いだすことができない以上,アヤはグリストファ
に従うしかなかった。
……たとえ戦うチャンスがあっても…もう,パラサイトエナジーは通用しない……
俯くアヤに,グリストファは柔らかな声をかける。
しかし,その内容は非情だった。
「では,最初の指示だ。そら,そこにいるクリーチャー,今夜はアイツの相手をしてもらおう。見
て分かる通り,ペニスはあるが,私とは違って完全な人間型ではない。ふふふ……果たして,アヤ
にできるかな?」
グリストファに促されて目を向けた先,体幹全体にイソギンチャクのような触手を無数に生やし
たクリーチャーが,微動もせずにたたずんでいるのが見える。
その気味悪さに鳥肌が立つ。
あんなクリーチャーの体に密着されたら…どうなってしまうのだろうか。
だが,従わねばならない。
「分かったわ……」
だが,それだけで終わりなのではなかった。
グリストファの声が,意地悪く響く。
「そうだな。見てくれは悪いが,中身は愛しの男だからな。たっぷり愛してもらうといい」
「どういうこと……」
何のことか分からない,不気味な言い回しにアヤは眉をひそめた。
グリストファは,ニヤリと笑う。
「君が触手に犯されて悦ぶ夢を見ていたのと同じように,もう一人別に,君が無理矢理に犯されて
いる夢を見ていた者がいるのだよ。その男も,随分うなされていたようだが……傑作なことに,犯
されている君を見て,ペニスはしっかりとガチガチにしていたな」
「な…何を言いたいの…」
アヤの体が,小刻みに震える。
体内を駆け巡っているのは,爆発しそうなほどの憤りだった。
「まさか…貴方……」
グリストファは,こともなげに言ってのける。
「そう,ご明察だな。それは,カイル君だ」
「そんなっ……何て言うことをっ!!」
思わず大きな声を出したアヤに,グリストファは涼しげに言葉を続けた。
「間違わないでもらおう。カイル君の命の保証はしているが,それだけだ」
「……っ!」
「今夜,あのクリーチャーの意識は,カイル君のものとなる。カイル君の中では夢だが,実際は現
実のことというわけだ。言っておくが,私はそれ以上のことは手を加えない。さて…見ものだな。
今まで,犯される君を,指をくわえて見ているだけしかなかったカイル君が,触手型クリーチャー
となった自分をどう思うかな? そして…縛られた君を見て,どうするのかな?」
「下衆…っ……」
怒りのあまり,アヤはギリッと歯ぎしりをする。
グリストファは,楽しそうに微笑んだ。
「ほぅ,それはカイル君を信じていない言葉に聞こえるが? 君は,カイル君との愛を信じている
のだろう? ならば,彼を信じてやりたまえ」
「く…くっ…」
アヤとて知っている。
人間の中には,どうにもならない部分が潜んでいることを。
連日の悪夢の末,これが夢であると分かったアヤは,快楽を貪る行動に出てしまった。
しかし,毎回絶頂を味わっていたアヤとは違い,生殺しの目に遭っていたカイルは…
……夢だと思ってしまったら……カイルは…カイルは,私を……
カイルは…果たして,どういう行動に出るのだろうか。
いつもは,颯爽としたカイルの赤裸々な内面…
信じたい気持ちと,自分がどんなことをされようと理解してあげなければならないという気持ち
の狭間で,アヤの心は揺れ動く。
「そうそう,ルールを一つ決めておこう。君は,あのクリーチャーに対してカイル君の名前を呼ば
ないこと,これをルールとしよう。カイル君が,心おきなく行動できるようにな」
ゲームの一つのように説明するグリストファの表情からは,やはり何も読むことができない。
「いったい……何が狙いなの……」
アヤは,燃える目をしてグリストファを睨む。
行動としては従うが,心まで折れたわけではないと示したかった。
グリストファは,そんなアヤをむしろ歓迎するような目をする。
「よい夜を…」
恭しく礼をするグリストファは,もはやアヤが手出しをすることのできない,王者としての圧力
をまとっているように見えた。
第5回
小さな窓からは,月明かりが差し込んでいる。
ただそれだけの,真っ暗な部屋の中…
アヤは,身に起こったゾクリとする戦慄に,体を凍り付かせた。
背後から,足首をゆっくりと,温かな何かが包み込んでくるのを感じる。
「っ…ぁ…ぁっ…」
掴まれただけで妖しい気持ちが沸き起こる,官能的な感触だった。
喉の奥から迫り上がってくるものが声に変わる刹那,アヤは,よろよろと目の前の壁に向かって
手を突き,辛そうに息を吐いた。
仄かな明かりは,部屋の片隅で息を殺し続けていたアヤの肢体を微かな銀色に映すだけで,闇の
中に潜むモノを完全には映し出してはくれない。
微かな蠢きしか見えない…
けれど,何かが背後に来ている。
小さな窓しかない部屋で,夜の闇に溶けて蠢くモノは,音を立てることもなく床を這い,いつの
間にかアヤのすぐ背後に忍び寄っていたのだった。
……つっ…カイル……
声にしたい言葉を胸に呟き,アヤはうなだれる。
そう,これは他ならぬカイルの選択。
夢を操作されたのならば,仕方のない当然とも言える行動。
意識に刻み込まれるその恐ろしさは,アヤ自身が身をもって思い知っている。
だからさっき,自分は決めたはずだった。
すべてを受け入れるのだと…
それなのに…
なんだろう,この悲しみは…
「…ぁ…ぅ……ん…」
足首を掴んでいた何かが,ゆっくりと這い上がってきた。
……カイル…カイル…っ……
そこにカイルがいるのだと思うと,とても辛い。
できることなら,正面を向き,グリストファの目論見を伝えたかった。
しかし,そんなことはできない。
監視の目は,必ずどこかからか自分の動きを見つめているはずだ。
そこにいるのはカイルではなく,見た通りそのままの触手型クリーチャーだと思っていなければ
ならないのだ。
……こんなに互いの意識が近くにあるのに,何もできないなんて……
顔も見えず,言葉を交わすこともできず,互いの体温を感じることも,熱いキスをすることさえ
できない。
ただ,為すがままに犯されるしかない。
……初めての夜なのに…本当に,こんな形で迎えなければならないの……
本当ならば,今夜は二人にとって,最高に素敵な夜になるはずだった。
「つっ…ぅ…っ」
だが,そんな思いは触手型クリーチャーには届かない。
這い上がってきた触手の集団が,膝周辺から太腿全体を包み始める。
アヤの性感を引き出し,感じている反応を楽しむようなじわじわとした動き…
つっ,つっと太腿の内側に触手が這うと,思わずビクッと脚が震えてしまう。
それは,無数の舌に舐め回されるような,或いは両手の指先に何度も何度もなぞられているよう
なイヤらしさに満ちていた。
「ぅっ…ん……んぅっ…ぁ…ぁ……ぃゃ…」
このような触り方が,あのカイルの願望だったというのか…
為す術もなく,体を固くしてじっと耐え続けるアヤは,小さく声を漏らした。
とても,カイルのすることとは思えない。
カイルは,もっと爽やかで,もっと愛情を感じるような触れ方をしてくれる。
……こんな…こんな…欲望剥き出しのイヤらしい触り方なんか……カイルはしないわ……
そこまで考えながら,アヤには明確に否定することができなかった。
……本当のカイルは…カイルだったら……
苦しげにアヤは喘ぐ。
では,振り返って自分はどうだというのか。
本当の自分は,何なのか。
自分は,本当にカイルが思っているようなアヤであるのか。
触手に,秘かな興奮を感じていたのは誰なのか。
愛情がなければ感じないなどと肉欲を蔑むふりをしながら,強引に犯されてあれほど乱れた姿を
見せたのはいったい誰だというのか。
第一,今その『欲望剥き出しのイヤらしい触り方』をされて,秘部に淫らな熱を感じ始めている
自分に,人のことを決めつける資格があるのか。
……分かっている…分かっているわ……
アヤは,苦悶する溜息を吐いた。
下半身ではタイトなデニムスカートが捲り上げられていき,柔らかな太腿を脚の付け根まで触手
がモゾモゾと侵入してくる。
秘部を狙った,その妖しい触り方……アヤは,頬を赤く染め唇を噛んだ。
……こんなイヤらしい触り方に…感じてしまうなんて……私……
目を瞑ると,心地よさに身を任せてしまいたい欲求が込み上げてくる。
その暗闇の中で,カイルの姿がボゥと浮かんでいた。
アヤの足下にしゃがんだカイルが,恋人の静止も聞かずスカートの中に無理矢理に顔を突っ込み,
太腿を獣のように舐めしゃぶっている。
……いや…いや…やめて,カイル……そんな風にしないで……
アヤは,悲しみの感情とは別のモノが,次第に大きくなっていくのを自覚していた。
人は誰でもその中に,自分が信じているものとは別のものを飼っている…
……二人…こうならなければ……お互い,それを出すことはなかったかもしれない……
現実ではない夢だと思えばこそ,遠慮無くできることもある。
これが「夢」でなければならないのは,グリストファではなく,むしろ私たち二人の方…
……まさか,グリストファは最初からそのことを知って……
しかし,ふと頭によぎったことを,よく考えてみる余裕はアヤにはなかった。
カイルの手が,乳房に伸びてくる。
ブラジャーに包まれた乳房を強く揉み上げながら,スカートの中では淫らな熱に溢れる股間に顔
を近づけてくる。
「だっ,だめぇ…ぇっ…」
うなじにも耳の中にも背中にも……カイルの舌や指が這う。
カイルは一人なのに,一人ではなかった。
何人ものカイルに,寄ってたかって体中を舐め回され,なぞられ,背中が弓なりに反り返る。
「あぁ…うぅ……」
全身を覆う快感に,アヤは半開きの唇を震わせた。
まるで,巨大なイソギンチャクのようだった。
「ぁく…ぅ……は…ぁ…」
アヤは,絶え間なく襲い来る快楽のさざ波に,胸を切なく揺らして喘ぐ。
耳の中や首筋,そして背筋に,熱い舌を這わされる感触が奔っていた。
シャツの中で蠢く触手は,ブラジャー越しの乳房を揉み回しながら,ヌラヌラとした体液を塗り
たくって絡みついてくる。
そして…
柔らかなヒップには,生温かい粘液に覆われたイソギンチャクの体幹が押しつけられ,モゾモゾ
と這い動く触手が,ショーツをずり下げて中に潜り込んでこようとしていた。
「だっ,だめぇ…ぇっ…」
アヤは狼狽した。
今,ソコを触られたら,たったこれだけの愛撫で熱いものが溢れてしまっていることを知られて
しまう。
それも,人ではなく,触手などを相手に…
……カイルに……私の淫らさを知られてしまう…っ……
夢だと分かっていても,羞恥心を捨てるのは無理だった。
思わず,静止しようと伸ばした手で触手の一本を掴むも,何の意味もない。
ヒップに押しつけられたイソギンチャクの体には,無数の触手が密集しており,全ての触手の動
きを止められるわけもなかった。
「あっ…ぁうぅ…っ…そんなこと…」
指のような,長い舌のようなたくさんの触手が,アヤのヒップを固定するかのように,くびれた
腰の両横から前方へと,それぞれ回り込んで絡みついてくる。
ヒップの下からも,何本もの触手が両脚の間をじわじわと這い進んでくる。
それらの触手の行き着くところは,一つの地点だった。
「いや…いや……あぅぅっ!…」
腰に鋭い痺れが奔る。
アヤは,触手を握り締めたまま全身を強張らせた。
思わず砕け落ちそうになった腰が,他の触手によって抱え込まれる。
「あぁぁ…こんな…っ……いや…いや…お願い,見ないで……」
アヤは,壁に手をつき,後ろにぐっと突き出させられたヒップを,イヤイヤと左右にくねらせた。
腰を抱え込んだイソギンチャクの目の前で,スカートを捲り上げられた両脚が肩幅以上に開かれ
ていく。
太腿まで下げられた,熱く塗れた漆黒のショーツ…
そして,弾力に満ちたヒップの奥で……透明な蜜に妖しく濡れ光るクレヴァスが,多数の触手の
先端に探られる淫靡な光景があますところなく広がっていた。
……カイルが私にこんなことを……あぁ…こんなイヤらしい姿をさせられるなんて…いや,いや…
見ないで…は,恥ずかしいっ……
カイルに,すべて見られてしまった…
それに…
覚悟はしていたことだったが,夢の中という赤裸々な世界で,男性の思ったままにされるという
ことが,いったいどれほどのものかということを思わずにはいられない。
これは,カイルの自分に対する気持ちそのもの…
アヤは,恥ずかしさと戸惑いにカァッと頬を染める。
……でも…これ以上は,もう恥ずかしいの…カイル…お願い…早く入れて……
ここまで恥ずかしい姿を晒したからには,もう弄ばずに,早く楽にして欲しかった。
だが,股間に群がった触手は,それ以上深くは秘部を犯そうとはしない。
まだまだもの足りないとばかりに頭を振り,熱く蕩けるクレヴァスを浅くえぐり続ける。
「っ…つっ…うぅ…んんぅっ!…」
甘くビリビリとした痺れが腰から背中を駆け巡り,アヤは体を反り返らせた。
快感には違いないが,決して絶頂には向かわないもどかしい責め。
静かな闇の中で,グチュグチュと掻き回される水音がアヤの耳に響く。
アヤにとって,生殺しともいうべき苦悶が始まった。
色香が匂い立つような吐息と,断続的な喘ぎが闇に満ちる。
「あ…んっ…うぅ…ぁあん…っ」
アヤは,その全身の性感を,触手に探られるのを感じていた。
上半身は,たくし上げられたブラジャーから,瑞々しい果実のような乳房が露わになっている。
その中心の小さな乳首が,集中的に責められていた。
すっかり尖り膨らんでしまった乳首は,その周囲を微細な触手にくすぐるようになぞられ,左右
の頂上部は,また別の触手たちに丸く転がすように突き転がされている。
その合間を縫う形で,先端が唇状の触手に咥えられ,くにゅくにゅと柔らかく締め付けられる。
左右の胸それぞれに,二人のカイルが吸い付き,舐め転がされているような感覚だった。
……こんなに…私の胸を…乳首を……あぁんっ…カイル…っ……
執拗な乳首への責め…
カイルが,自分の胸にそのように欲望を感じていたなんて…
「あぁぁ…もう…許して…」
アヤは何に対してか小さく呟き,切なく顔を左右に振る。
胸の頂点に閃く快感が,甘美ながらもジリジリと体の芯を疼かせていた。
ふっくらとした唇からははぁはぁと乱れた息を吐き,切れ長の瞳を熱っぽく潤ませて哀願する。
しかし,哀願の言葉とは裏腹に,その美貌は桜色に上気し,眉根を寄せた瞳には妖しくも艶めか
しい色が浮かんでいた。
……体が…凄く疼いて…あぁ…もう堪らないっ……これ以上はイヤ…もう弄ばないで……
火照った体の熱さが,他の何も考えられないほどに思考力を奪っていく。
この疼きを,早く鎮めて…
抑えきれない熱い感情が,痺れるような昂ぶりとともに激しく胸に渦巻いていた。
だが,アヤの気持ちを知ってか知らずか,イソギンチャクは淫らな責めを先に進めようとはせず,
また緩めようともしない。
「うぅんっ……あっ…あ…あぁ…んぅ…っ」
汗の噴き出た体をのたうたせ,アヤは艶めかしく悶えた。
耳の中,首筋に,熱いヌメリがぬたぬたと這い回る。
太腿やヒップは言うに及ばず,神経が集まった背中でも,触手はその先端を小さな唇のように開
き,背筋に沿ってキスの雨を降らす。
そのような責めを加えながらも,秘部を嬲る触手は,頭部を軽く埋めたクレヴァスを震動を加え
ながら上下に浅くえぐり続けるだけで,決して中には入ってこようとしない。
「っああぁん…もう,いやあぁぁ…っ…」
沸騰し燃え上がる秘肉が,中途半端な電流を流されているように痺れ,アヤは掠れた声を上げた。
あまりのもどかしさに,意識が飛んでしまいそうになる。
アヤは,狂おしさの限界に追い込まれていた。
……どうして……お願い,カイル…私もう我慢できない……
堪らず,股間に込み上げる疼きから逃れようと,後ろに突きだしたヒップをくねらせる。
しかし,腰に密着し張り付いた触手の群れが,その程度のことで離れるわけもない。
触手たちは,ますます強い疼きを湧き起こそうと,めくり広げた秘唇にまでキスを降らせ始めた。
大きく押し広げられることを待ち望んだ膣口には,頭を寄せ合った数本の触手が,内部への出入
りをごく浅く,そして交互に繰り返しては焦燥感を極限まで煽っていく。
膣口を軽く押し広げては,戻し……また口を広げては戻し…
「っあぁああぁぁ…ダメ…ダメ…っ……そんなことしたら…私…どうにかなってしまう…っ…」
アヤは,秘部入り口への無慈悲な責めに,腰をガクガクと痙攣させて悲鳴を上げた。
多分,カイルは知らない。
夢の中だと思って,思うがままに体を貪っているアヤが,実は生身のものであることに。
……カイルが……こんなことを…こんな願望を…私に抱いていたなんて……
アヤは,カイルが自分に繰り出してくる淫らな行為に,目も眩む思いがする。
しかし,それと同時……
カイルの気持ちを意識する度,アヤの体もまた燃え上がっていく。
満たされない子宮は,焦げ付くほどに煮えたぎっていた。
蕩け潤んだ秘肉が,逞しく自分を征服するモノをせがみ,じゅくじゅくに溢れた蜜は雫となって
太腿へと垂れ落ちていく。
「あぁああぁ……もう…ダメ…私…私…っ……」
アヤは,頭を振って涙を流し,掠れた声で嗚咽を漏らし始めた。
荒れ狂った感情の波が押し寄せてくる。
ここまで徹底的に焦らされる責めなど,アヤには未経験なことだった。
これ以上,焦らされたら本当におかしくなってしまう。
もう,いろいろなことがどうでもよくなっていた。
……これは夢……私がどんな風になっても,カイルにとってこれは夢……だから……
我慢する必要など,最初からなかったのではないかという思いが湧く。
頭の中にはもう,逞しいモノを子宮に届くまで深く咥え込みたい,激しく求められて犯されたい
という思いしかなかった。
心の中で何か,張り詰めていたものが切れる。
「お願い…意地悪しないで…これ以上,もう我慢できないの…入れて…奥まで思いきり入れて!」
叫びにも似た懇願に,イソギンチャクが震えたような気がした。
「っあぁううぅっ!」
アヤは,悦びの嗚咽で泣き声を上げる。
柔らかく蕩けたその小さな膣口に,何かが圧倒的な量感をもって沈み込んできた。
極限まで疼いていた膣口が押し開かれ,何かが体内に侵入してくる。
「あああぁぁぁっ!」
アヤは,痺れる快感のあまり,口をわなわなと震わせた。
……来るっ!…は,入ってくるっ!……
嬲り続けられた秘孔が,逞しく擦り上げられる快感に悦びの悲鳴を上げる。
蕩けた膣壁が,頭を振りながら侵入してくるモノを柔らかく包み込み,子宮は最深部まで突き上
げられる期待感に一気に燃え盛る。
そして…
「あああぁぁぁぁーーーーーっ!!」
勢いよく子宮まで打ち貫かれた瞬間,アヤは上体を仰け反らせながら達した。
気が狂うほど焦れ続けた体は,決壊した解放の奔流に押し流される。
視界を白い光に満たしたアヤは,体の芯からの充足感に包まれ,膣奥からの蜜をとめどもなく溢
れさせた。
「あ…ぁ……あ…ん…っ…くぁ…ぁ」
絶頂の余韻で小刻みに痙攣する体を,イソギンチャクは尚も離さない。
今度は,深々と沈み入れたモノを,ゆっくりながらも一回一回に力のこもった大きな動きで秘肉
を犯し始める。
「はぁ…はぁ…んっ…少し…待っ…んくぅ…っ!…ぁ…あんっ…ああぁっ」
完全に余韻が過ぎ去る前に,再び押し寄せてくる快感の波…
暗闇の中,力ずくで犯されているという実感が,アヤの感度と反応を大きくしていた。
「はぁ…ぁ…凄い…っ…ん…はぁっ……あっ,あっ…こんなのっ…堪らないっ」
これは,イソギンチャク型クリーチャーのペニスなのか触手なのか分からない。
しかし,カイルの意識にあることで,人間の動きでアヤの体を貪っているのだろう。
先端が抜ける寸前まで引き抜き,そして打ち込まれたモノは,子宮の壁をグリグリと擦りつける。
そうやって秘肉を犯しながら,びっしりと生えた突起状の吸盤が,膣口や膣壁を何度も掻き回し
てくる。
カイルと出会って以来,男に抱かれることがずっと無かったアヤにとっては,そのどれもが理性
を弾けさせるには十分すぎる鮮烈さだった。
「はぁっ…あっ…あっ…あんっ,んあぁぁっ!…ダメっ!…こんなのっ…ふあぁぁっ!」
体に打ち込まれるモノは,次第に強さを増していく。
アヤは,美しい形の乳房を前後に揺らしながら,背後からの激しい貫きにむせび泣いた。
快感をせがむように,自らヒップをイソギンチャクの体幹に擦り付ける。
……カイルっ……凄いわっ…凄く荒々しくて…乱暴されてるみたい……でも…あぁぁ…イイわっ…
凄くイイの……私,こんなに感じちゃってるっ……
もはや,今日のデートがキャンセルになり,二人きりの夜を過ごせなかったことなど忘れていた。
それよりも,今まで自分が知らないでいた……いや,むしろ忌避していた肉欲というもののもつ
悦びに,アヤは没頭し夢中になっていた。
「うぅんんっ! あああっ…凄いっ!…こんなの,って……体が痺れちゃう…くううっん!」
激しく打ち込まれるモノに合わせて,より深く迎え入れようとヒップをくねらせる。
アヤが知るのは,優しく甘いセックス……それが,男女間のすべてだった。
しかし,もともと自分には別の……このようなケダモノのような性癖が,願望として隠れていた
のかも知れないとも思う。
……私っ…今,こんな誰もいない山の中で…カイルに荒々しく求められてるっ…犯されてるっ……
何より,そう考えることは,ゾクゾクと震えがくるほどの興奮と快感を呼んだ。
実際にアヤを犯しているのは,イソギンチャクのような触手型クリーチャーであることも,もう
あまり嫌悪感を感じない。
いや……本当は,嫌悪感を感じないどころか,体は求めていたのに違いない。
……きっと…そう……
アヤは,抵抗もなくそう思った。
アヤは,何となくこれがグリストファのねらいだったような気がする。
自分は,確実に,グリストファの計算通りの道を進んでいる…墜ちている…
アヤの脳裏に,ふと,表情の読めないグリストファの顔が浮かぶ。
グリストファは,いったい何を考えているのだろう…
何を自分にさせようとしているのだろう…
なぜ,クロカワほどの男が引き込まれたのか……
……でも……でも……
アヤは,考えるのを止める。
今は,今だけはどうでもよかった。
「っあああぁぁぁっ!」
アヤの様子に絶頂の兆しを感じ取ったのか,イソギンチャクの責めが更に苛烈さを増していく。
糸状の極細触手が,集団でアヤの最も敏感な部分を埋め尽くしていた。
ウネウネと揺れる触手の群れは,揺れる両乳房の頂点に群がり,クレヴァスの上端を掻き分け,
そこに位置する艶やかな突起を探り出していく。
「んっ,あっ…あっ…そんなことされたらっ!…あぁぁっ!…そんなの,ダメえぇぇっ!…はっ,
はあっ! ダメっ…イキそうっ…またイッちゃうっ!…っああぁぁっ!!」
両乳首が絡みつかれ,最も敏感な珠が周囲から撫で回されるのを感じ,アヤは神経が焼き切れん
ばかりの悦楽に体をのたうたせた。
絶頂の波が,更に更に高く自分を押し上げていく。
「あっ,あぁっ!…凄いのっ!…あぁんっ…我慢できない…もうイクっ,イッちゃうっ!」
アヤは,髪を振り乱し,息を荒く弾ませて身悶えた。
やがて……体の最奥で爆ぜた戦慄が,身震いとなって全身を覆う。
抱え込まれた腰から伸びた両脚がピーンと伸び,唇が小刻みに震える。
アヤは,最頂点に達したことを知った。
「あああ…凄…い…こんなの…って……も,もう…ぁ…あぁ…あああぁぁぁーーーっ!」
窓から見える月は,銀色に光り続けている。
……あぁ…カイル……好き…好きよ……
イソギンチャクの絶頂を待つこともできず,アヤはその意識を途切れさせていった。
この章,終わり
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