「艶やかな風」

                   ◇トップに戻る◇ 

第1回



「こいつっ! 本当に人間かっ!!」
「こんなヤツが,今までノーランカーだったなんてっ!」
「焦るなっ! 落ち着け! 相手はたかが女だ。深道ランカーの俺たちが,よく狙えば負けること
は無いっ!」

 宙を跳ぶ,というよりそれは,宙を舞う,という表現が正しかった。
 跳ぶ以上は,着地の瞬間を狙えばいいとタカをくくっていた。
 しかし,その少女の周囲だけには,重力の存在を感じることができない。
 狭い路地では,強いビル風が吹く。
 5人からなる腕自慢の男たちだったが,その風に乗って舞っているかのような,真上からの一撃
を,ただの一人として避けることができない。
「くそっ! エアマスターめっ!!」
 叫んだ男が,また風のうなりと共に吹き飛ぶ。
 瞬間,その中心で,怜悧な光がこちらを向いた気がした。
 男の背中を,ゾクリとした冷たいものが走る。
「畜生めっ。次はお前だとでも言いたいかっ!」
 自らを鼓舞して,風のうなりを捉えようとする。
 暴風のように吹き荒れる肢体は,いっぱしのストリートファイターを自認していた男たちにとっ
て,最悪の災厄だった。
 風に流れる手足は,必殺の一撃だった。
 男たちは,自分たちの常識では及ばない存在に直面されていた。

 カマイタチ・・・
 烈風・・
 様々な言葉が浮かんでくる。
・・せめて,一撃でもっ・・
 いくら注目株のファイターとはいっても,ここまでいいようにやられるばかりでは,自分たちの
立つ瀬がない。
 そのとき,木の葉を巻き込んでうなる風の向こうに,空高く浮かび上がった影が見えた。
「見えたっ!!」
 月の光を背に,優雅に宙を舞うしなやかな身体。
 明るい月光を背に受けて,伸びきった長い脚が,自分に向かって舞い降りてくる・・・
・・す,凄ぇ・・・・
 風切り音が聞こえた気がした。


「チッ・・・」
 倒れ伏した男たちを鋭く見やって,人知れずマキは舌打ちをした。
 深道に指示されてやって来たというのに,どれも楽すぎる相手だった。
 ほとんど一撃で倒れてしまう。
 ここのところ,満足な相手とヤった記憶がない。
 強い相手と闘いたくて,深道ランキングに名を加わえたというのに・・・。
 満足できるファイターと出会えない・・・。
 マキは,ジリジリとするものを感じていた。

・・こんなものじゃ・・・身体が満足できない・・・
 極限まで研ぎ澄まされた牙は,「真剣」のような鋭さをもって身体を張りつめさせている。
 風の流れを感じるまでに鋭敏になった肌は,ぴりぴりと神経を疼かせる。
 身を焼くほどの期待感に,スイッチを入れた身体と心が,行き場を失って辛かった。
・・身体が・・・疼いて・・収まらない・・・
 闘いの時には息一つ乱さなかった身体は,発散できないエネルギーを持て余して熱く火照り始め
ていた。
・・どこか・・・適当なところは・・・
 どこかで多少なりとも休み,この昂ぶった身体と心を落ち着けなければ,家に帰り着くまでに保ち
そうになかった。
 呼吸を微かに弾ませて,マキはふらふらと公園の中に入っていった。

 公園の中は,夜だというのに意外と人が多かった。
 日中のように,たくさんというわけではない。
 ただ,そこここに,確実に人の存在を感じる。
 そして何より,この和やかな雰囲気。
・・ここじゃ・・だめだ・・・
 殺伐とした自分とは,あまりに空気が違う。
 身を翻そうとしたマキは,ふと白く小さな建物に目をとめた。
・・ああ,あそこならば・・・
 マキは,安堵の表情を浮かべた。

 狭いトイレに入り,ドアを閉めると,疲れ果てたように便器に座り込む。
・・疲れるな・・・こんな毎日では・・・
 溜まったエネルギーが,出口を求めて身体中を駆け巡っている。
・・熱い・・・
 身体がゆっくりと鎮まっていくのを待ちながらも,吐息が漏れ出てくる。
 ふと,遠くから,微かに声が聞こえてくる。
「ぁぁん・・・んぅんっ・・」
 小さな,悩ましげな声。
 一人ではない。
 神経を集中させると,そこかしこから女性の艶やかに漏れ出てくる声が聞こえてくる。
「そうか・・・ここは・・」
 ここは,カップルのたまり場だったのだ。
「ふっ・・人が多いはずだ・・」
 一人納得したマキだったが,その居心地の悪さから逃れることはもうできなかった。

「ぁっ・・・ゃっ・ぁぁん・・」
 甘く押し殺したような声は,なかなか途切れない。
 最初は居心地の悪さしか感じなかったマキだったが,何はともなしに聞いているうちに,奇妙な
気分が湧き出てくるのを覚えた。
 神経を研ぎ澄まされ,昂ぶった身体は,外界からのどんな小さな刺激もストレートに,一片残ら
ず漏らすまいとマキの脳に伝えてくる。
 フィルターなど,何もない。
 マキの心は,いつしか,外で行われている痴態に同調しようとしていた。
「私も・・・あんな声を出していたんだろうか・・」
 ふと呟いたマキは,無意識に名前を呼んでいた。
「坂本・・ジュリエッタ・・」
 口をついて出て来た言葉に,マキはハッとした。
・・違う,違う! 私は何を考えているんだ!・・・
 身震いをして,振り払うように頭を強く振る。
・・苦手だ・・・あの男・・・
 今まで,自分の中に『女』を感じたことなど無かった。
 闘いこそ全てだった。
 そんな中,あの男だけは,自分をファイターとしてではなく,「自分のモノにする女」として迫っ
てきた。
 そして・・・
 あの夜,酔いつぶれていたマキは,否応なく『女』の部分を引きずり出されたのだった。
 マキの脳裏に,あの夜のことが思い出される。
 乳首を吸われ,秘部を触られ,その度に震えるような感覚が自分の身体を襲ったこと。
「・・アイツ・・苦手だ・・・」
 そう自分に言い聞かせるように呟きながらも,マキは身体の疼きからくる欲求に勝つことはでき
なかった。
・・あれは・・・あの感覚は,何だったんだろう・・・
 知らず知らずの間に,マキは自分の身体を探り始めていた。
 あの夜の,坂本ジュリエッタの愛撫を思い出して。



 スカートの中に手を入れた下着越しに,女のその部分が熱く伝わってくる。
 マキのそこは,既にヌカるむほどに熱く潤っていた。
・・あぁ・・・私のここが・・こんなに・・・
 秘裂の中心に,指先を軽く押しつける。
 くちゅっ・・
「んうぅっ・・」
 マキの身体の奥底に,今まで感じたこともないような鋭い感覚が込み上げた。
 それは,全身に震えがくるほどの甘い痺れだった。
 指先に,少し強く力を込めただけで,微かながらも水音がはっきりとマキの耳に響く。
 研ぎ澄まされた神経は,マキ自身の身体の変化までも克明に伝えてきていた。
・・はあっ・・・なぜ・・こんなに・・・
 マキは,目を瞑った。
 興奮が疼きとなって,じわじわと身体を包んでくる。
 指を,もっと強く,そこに押しつけたい衝動が湧き上がってくる。
・・我慢できない・・・
 脚を開く。
 指を,下着越しに上下に滑らせる。
「くうぅ・・ん・・っ・・」
 マキの身体に,たとえようもないほど甘く鋭い快美感が奔った。

「うっ・・ん・・っ・・あぁ・・んっ・・」
 全身の神経が,快感を訴えてくるようだった。
・・あぁ・・・熱い・・身体が・・・堪らない・・・
 マキは,指の動きから繰り出される,鋭く閃く快感に没頭し始めていた。
 敏感な部分を探る指の動きは,次第に大胆に大きくなってくる。
 その度に,腰から背中を駆け上がる,電気のようでありながらも甘美な感覚。
 マキは夢中だった。
・・アイツ・・・もっと奧まで・・触った・・・
 更に,指を押し込んでみる。
「うぅっ!・・くぁ・・っ・・ん・・」
 強い刺激が,マキの腰に奔る。
 くっと身体が仰け反り,硬直し,息が止まる。

「あっ・・ん・・うっ・・くぅ・・っ・ん・・」
 薄っすらと紅い唇から,無意識に甘い声が漏れ出てくる。
 忌むべきものとして長い間,身体の奥底で眠らせていたものが今,一気に呼び覚まされようとし
ていた。


 マキにとって,闘いは全てだった。
 孤独に過ごしてきた最近まで,友だちと呼べる者など一人としてなかった。
 誰も自分など見ていない。
 話しかけてくる相手もいない。
 こんなに長身な自分なのに,まるでそこに存在していないかのよう・・
 いつも俯いている自分が,マキは嫌だった。
 
 闘いとは,そんなマキにとっての発見・・・
 闘ってこそ,自分の存在を感じることができる。
 闘っているときの,正面から自分を見つめる目。
 自分に向けられた,真剣な目。
・・ああ・・たまらないっ・・・
 マキの背を,ゾクゾクとしたものが奔る。
・・あの目を見るためなら,私は・・自分が女だってことを考えなくても構わない・・
 そう,だから・・・あの日からマキは,女としての自分を眠らせてきたのだった。
 ストリートファイターとしての,快感に目覚めたあの日から。


・・女だってことなんか・・考えなくても構わないのに・・・
 坂本ジュリエッタの潤んだ目が,マキの脳裏に浮かび上がる。
・・あぁぁ・・っ・・
 その瞬間,震えるほどの快感が身体中を駆け巡り,長く伸びた脚がブルブルとわななく。
 秘裂に沿って擦り上げる指には,内側から熱く滲み出した透明な液体が,ヌルヌルと絡みついて
くる。
 坂本ジュリエッタ。
 これほどまでに自分を熱く見つめる目を,マキは知らなかった。
・・アイツ・・苦手だ・・・
 ファイトとはまた違った,坂本が向けてくる異質な熱い目を,マキは畏れていた。
・・はあぁっ・・でもっ・・なぜ・・・
 坂本のことを考えるだけで,身体が熱く燃え上がってくる。
 なぜだか分からない・・。
 しかし・・・心が騒ぎ,ざわめくのを抑えられない。
 坂本ジュリエッタの目は,そんな目だった。

『マキ・・・』
 マキの脳裏で,坂本が熱っぽく語りかけてくる。
 身動きできないほど抱き締められ,坂本の指が,自分の敏感な部分を捉える。
 浅く沈み込んだ指は,秘裂を何度も往復する。
・・ああっ・・だめ・・だめっ・・・・
 マキは,狂おしく悶えた。
 意識せず,片手がブラウスの中に潜り込む。
 豊かな胸はほんのりと汗ばみ,心臓の高鳴りを伝えてくる。
 その中心で,硬く突き出してくるモノ・・・
 身体は,これ以上ないほどに歓喜していた。
 坂本の指が,それを捉える。
 同時に,下着の中に滑り込んだ指が,ヌルヌルに濡れた小さな突起に触れる。
 軽く摘まれ,転がされる。
『マキ・・・』
 耳の中で,坂本の声が響く。
 その瞬間,マキの中で急激に何かが膨らんだ。
・・私っ・・私はっ・・もっと・・・もっと見られたいっ・・・
「んううぅぅっ!」
 両脚に力が入り,身体全体が硬直する。
 不意に心に浮かんだ何かを,深く考えることもなくただそのままに言葉に換え,マキは意識を白く
させた。
「はあ・・ぁぁ・・うっ・・ん・・っ・・」
 半開きの唇から,切れ切れな声がいつまでも小さく漏れていた。


 一台のノートパソコンの画面を,じっと見つめる男がいる。
 画面は,驚くほど長身な少女が,脱力したようによろよろと遠くに消えていく様子を写し出して
いる。
「準備は,無駄と思えることに全力を注ぐことにあるな・・・いいものが撮れた」
 帽子を目深にかぶった男・・深道は,涼しげな表情でニヤリと笑った。


第2回



 ファイトは,いっそうの苛烈さを増したものとなる。
・・もっと・・・もっと私を見て・・私のことを心にとめて・・・
 心の欲求を,あの日はっきりと意識したマキは,呪念のように言葉を繰り返す。
 マキは全力で荒れ狂う。
「こっ・・これが・・エアマスターの力かっ・・・」
 人間業を超えた高さにまで飛び上がるマキの心に,勝敗の意識は既にない。
 ただ・・・一緒に,ストリートファイトという舞いを舞ってくれる相手を求めていた。
 ビリビリするほど心を研ぎ澄ませ,全力の自分を出し切ったときに訪れてくれるであろう充実感
を味わうために。
・・だから,お願い・・それまで倒れないでね・・
 相手の力量など,とうに度外視した一撃。
 魂のこもったとも言える,必殺の鋭い一撃が矢継ぎ早に繰り出される。
 その動きを追うことなど,男たちにできるはずもない。
・・これがストリートファイトなのか?・・まるで格が違う・・・
 ただ風のうなりだけが,耳に届く。
 男たちに,耐えきれる者はなかった。

「・・もう,終わりなの?・・」
 昂揚した身体を燃やすこともできず,マキは打ち倒した男たちを見やる。
 男たちから,反撃する気力はとうに失われている。
 今日も,願いは短時間で潰えてしまったのだった。
 ジリッ・・ジリッ・・
 端正でありながら,獣のように冷たく光るマキの瞳の奥で,収まりきれない何かが疼き始める。
・・チッ・・・
 マキは唇を噛む。
 心臓が少し熱い。
 疼き始めたそれが熱を持っていることを,マキは自覚せざるを得なかった。


「はぁ・・っ・・・」
 公園のトイレに座り込んだマキは,宙を見上げ溜息をつく。
 無意識のうちに辿り着いた,無意識の場所。
 あの日から,何日こうやってここにやって来たことか・・・。
 ストリートファイトという中で,いったんは呼び覚まされながらも中途半端にしか解消できない
欲求は,出口を求めてグルグルと身体の中を巡り出す。
 意志に関係なく,ファイトが終わった身体は「それ」を求め始めてしまう。
「今日も,結局こうやって自分を鎮めるのか・・」
 自嘲気味な口調とは裏腹に,その頬はうっすらと紅く染まっていた。
 手が,スカートの奥に滑り込む。
 呼吸が弾む。
 指が押し当てられた女のそこは既に,昂ぶる期待を甘く訴えて,熱くヌカるんでいた。

「エアマスター,君の願い,叶えてやろう」
 突然の声は,マキの頭上から響いてきた。
 文字通り飛び上がったマキは,そこに超小型カメラを見つけ,激しく狼狽した。
「なななな,なんだ!」
 自慰行為を見られていた・・・その羞恥心が,トイレを覗くという行為を非難することを忘れさせ
ていた。
「やあ,エアマスター。トイレを覗くなど悪趣味だと言いたいところだろうが,利用できるモノは
何でも利用するのが俺の考え方でね。悪く思わないでくれ」
「ふ・・深道!」
「正答だ。一発で当ててくれて嬉しいよ。早速だが,今から君に2つプレゼントをしよう。拒否は
できないプレゼントだがね,きっと気に入ってくれると思う」
「なな,なにを言ってるんだ?」
「平たく言えば『俺の言うことを聞け』というところだな」
「ふざけるな。そんなこと!」
「いや,何度も言うが拒否はできない。なぜなら,ここにはこんなものがあるからな・・」
 深道の声の後に続いて流れてきたものは,女の甘い喘ぎだった。
 それが,マキ自身のものであることを悟るまでに時間は必要なかった。
「そ,それはっ・・・どうしてそれを・・・」
 マキの狼狽は,最高潮に達した。


・・人間は弱い。どんなに強者に見えても,弱点はどこかにある。しかし,そのコンプレックスを
上手く利用すれば・・・
 画面を見つめる深道は,マイクを前に,これからのことを頭に描いていた。
 この後,深道ランキングは最終局面を迎える。
 ある目的のために。
・・エアマスターは無類の強さを発揮しているが・・・確かに,所詮はまだ少女。それなりの弱点
があるものなのだな・・
「さて,これが吉とでるか凶とでるか・・・」
 頼りなく謎めいた言葉とは裏腹に,深道の唇は確信に満ちたように上を向いた。


 やっと自分を取り戻し,静かにカメラを見上げるマキに,深道は本題に入ることにした。
「何とか落ち着いたようだね。では,話を続けようか」
「何を取り引きしたいんだ・・・?」
「ふっ・・そう,怖い顔をしないでくれ。プレゼントだと言ったろう? ファイトで燃焼できなかっ
た君の身体を,鎮めてやろうと思っているんだ。今から,そこに男を3人送り込む。君は身体を自由
にさせて,男どもの愛撫でイッてくれればいい」
「なっ!!?」
 予想もつかない凄いことを,事も無げに言ってのける深道に,マキは一瞬声を失う。
「簡単だろう? じっとしていればいいんだから。これが1つ目のプレゼントだ・・」
「ふざけるなっ!! そんなこと,真面目に言っているのかっ!」
 膨れ上がる怒りにまかせ,カメラに向かって怒鳴るマキに答えるかのように,スピーカーから艶や
かな音声が流れ出す。
「うっ・・くぁ・・っ・・ん・・」
 切なそうな甘い声が,トイレ中に響く。
 マキの顔から見る間に怒りの色が消え,羞恥に満ちたものとなっていく。
「安心したまえ。何も犯して処女を奪おうってハラじゃない」
 なだめるような深道に,マキは黙って両手を握り締める。
「目的は何だ」
「それはもちろん,深道ランキングの裾野を広げるためさ。エアマスターは,重要な看板娘だ。気づ
いていないだろうが,君の人気は絶大だよ」
「外道め・・・」
「嬉しいよ。外道ついでに言っておくが,抵抗はしないでくれ。では,せいぜい,いい顔を見せて
くれたまえ。エアマスター,君の,次の対戦相手たちだ」
 音声が切れると同時に,ドアの上から3人の男たちが降ってきた


「あぁ・・・いや・・・・」
 トイレの中で,驚くほど長身な少女が,上方の配管に手を繋がれている。
 暗く薄汚れたような公園のトイレで,マキは男たちの辱めを受けていた。
「へへへっ,こんな女の子が,明日の俺たちの相手をしてくれるってのかい?」
「うぅっ・・」
 筋肉質のその男は,マキの嫌がる首筋を,伸ばした舌で舐め回す。
 その手は,はだけたシャツから露出させた胸を包み込んでいる。
「結構,大きなオッパイしてるじゃんか。それに,なかなか高感度だしよ・・・ほれ」
 便器に座らせた身体を抱く男は,舌と指で少女の乳首を嬲っている。
「あぅぅっ・・・」
 ブラジャーが外され,露出した豊かな胸が,男たちの責めに反応して左右に揺れる。
「ま,強いとはいってもまだ女の子ということだ。可愛がりがいがあるじゃねぇか」
 マキの両脚の間に顔を埋めている男が,舌を伸ばしてマキの秘裂をえぐる。
 パンティは抜かれ,片脚の太腿に小さく絡みついている。
「ああぁっ・・・い・・いやっ・・・」
 かすれた吐息で,マキは繋がれた両手を引きつらせた。
 徐々に溢れ出した温かな蜜が男の舌に絡みつき,微かな水音を響かせていた。

 男たちの淫技は巧みだった。
「マキちゃんよぅ,もうあんたの乳首,勃っちまってるぜ。イヤだなんて言っても,身体は正直だ
な。もっとして欲しいか」
 堅くなった乳首が,男の唇の中でグルグルと転がされ,甘く噛まれる。
・・いやだっ・・・そこをされるとっ・・・
 普段,身体の奧に眠らせていたもの・・・最近になるまで,自分自身でさえ気付くこともなかっ
たものが,いとも簡単に呼び起こされていく。
「興味なんかなさそうな顔をしてても,まだまだ学生サンだろ。この若い身体が感度ビンビンだぜ」
「深道の話では,ウブな女の子だということだったが,どうして,どうして。こんなに濡らして,
エッチな身体してるぜ。噂のエアマスターはよ・・・」
「おい,俺にもそこ,舐めさせろよ」
「悪ぃな,へへへ・・美味いぜぇ」
 男たちは,マキの身体に顔を埋め,張りのある引き締まった身体を欲望の赴くままに味わう。
 軟らかい舌先が疼く秘部を割り,身体の中に入ってくる。
「あぁうぅっ・・」
 マキの肢体が,わななき弾む。
 男たちの指が・・・舌が・・肌にピリピリと刺激を与える。
 それは,快感に目覚め始めたマキの身体には,麻薬とも毒薬とも言えるような責めだった。

「も,もう・・・やめて・・」
 蕩けるような丹念な愛撫に負けそうになりながら,マキは最後の精一杯の抵抗を示した。
 羞恥心を感じ,嫌がりながらも,恍惚とした心ここにあらずといった表情。
 欲情をそそるその顔に,男たちは唾を飲み込む。
「へへ・・・へ・・,エアマスターなんて言ってもよ,こういうことには,まるっきり女の子じゃ
ねぇか。もう堪んねぇんだろう? そろそろイカせてやるよ」
 男たちが不気味に笑った。
 左右から,両方の乳首が唇に含まれる。
 太腿はM字に抱え上げられ,股間に沈んだ男の舌先が,秘裂を浅くえぐりながら上下に往復する。
「ああぁっ!」
 男たちの嬲りから身体をかわそうとしても,手首を拘束されていてはどうしようもなかった。
 ジャラジャラと鎖がなる。
・・だ・・だめ・・感じる・・・・
 声を上げて悶えたい衝動を,歯を食いしばって耐えながら,マキはそのときが近いことを感じて
いた。

 甘美な悦楽が,身体の中を荒れ狂う。
・・ああぅっ・・・も,もう・・・だめ・・イキそう・・・
 掲げ上げさせられた腕の先で,縛られた手をグッと握り締める。
 汗を滲ませるマキは,目を閉じ,無理矢理に高められる疼きに何とか耐えようと努力した。
「気持ちいいんだろ? ひひひっ,エッチな身体が,くねくねしているぜ?」
 耳元でイヤらしく囁かれても,マキに,答える余裕はなかった。
・・こんなに・・・感じるなんてっ・・・
 マキは,男たちの愛撫に,狂おしく身を左右によじった。
 股間を嬲る舌が,ツーッと移動する。
 そこは,マキ自身でさえも,あまりよく自覚していない小さな場所だった。
 その,点ほどの突起に男の舌が絡みつく。
「はあぁぁ・・っ・・」
 息を吸い込む呼吸から,かすれる声が漏れた。
 電気のような強烈な痺れが,その点を中心に腰全体を駆け巡る。
・・い・・・イク・・・・
 震えるような感覚がマキを襲った刹那,絶頂に昇り詰めようとする秘部で,男の軟らかい舌先
が,激しくマキの突起を押し潰す。
 続いて,強く吸われる。
 トドメだった。
「はぅぅっ!・・」
 強烈な,初めての感覚。
 その快感が,マキをいっそうの高みに押し上げる。
「あああぁぁぁーーっ」
 ガクガクと脚を震わせ,マキは男に与えられる初めての絶頂を味わった。


 意識を取り戻したとき,男たちは既にいなかった。
「あい・・つら・・」
 手の拘束は外されていた。
 ただ,衣服の乱れはそのままで,先ほどまでの名残を残している。
・・私は・・あいつらに・・・・
 ボーッとしたマキの視界に入るように,床に一枚の手紙が置かれていた。
 深道のものだった。

「これが・・2つ目のプレゼントだと言うの? ゆ,許さない・・・」
 読み進むうち,マキの手が込み上げる怒りにブルブルと震える。
 長い指が,手紙をクシャッと握り潰した。



 翌日。
・・こんなことが・・もし,誰かに分かってしまったら・・・
 マキの胸には,不安が一杯に渦巻いていた。
 下着の股間部分を,はっきりと盛り上げている楕円形の形。
 それは,遠隔操作用のローターだった。
 ただのローターではない。
 深道特製のそれは,軟らかくシリコンのような弾力があり,楕円状のローターでありながら先端
部分はミニペニスといってもよい形をしている。
 挿入までは命令されていない。
 しかし,下着の内側で,マキの秘部に宛われるように食い込んでいるそれは,『違和感』という
言葉以外で表現されるものではなかった。
・・こんなものをっ・・・でも・・外せない・・・
『ストリートファイトまで,それを付けて通常の生活を送ること』
 それが,「プレゼントだ」と言った深道の命令なのだった。
・・外したら,あのビデオが・・・でも・・こんなものをつけているなんて・・・
 覚悟をはっきりと決めることができぬまま,マキは学校に出かけるしかなかった。


第3回



 ビィーーーーーーーーン・・・・
 下着の中で,股間に宛われたローターが振動している。
「うくっ・・・はぁ・・・っ・・」
 登校時から作動し始めた小さなローターは,授業が始まっても一向に静まる様子がない。
・・もう・・・授業だというのに・・・・・
 マキは,苦しそうに眉をひそめる。
 振動自体は,軽微なものだった。
 しかし,濡れた秘裂に直接触れているそれは,椅子に座るとヌルリと体内に押し込まれようとし
てしまう。
・・あぁっ,そんな奧に入るとっ・・・
 マキは,下半身を緊張させた。
 敏感な秘裂に食い込んだローターから,微細な高周波が伝わってくる。
・・んぅ・・痺れるっ・・・・
 思わず,腰が浮きかける。
 身体の内側から延々と責められ続けるなど,マキにとって今まで経験したこともないことだった。
 ローターの振動が,椅子に伝わって音を立てないように気を遣うことさえ難しい。
 何とか耐えようと,椅子に座り続けるマキの額に汗が浮かんでくる。
 マキは知らなかった。
 深道特製のローターには,媚薬が塗り固められていたことに。
 徐々に溶け,滲み出した媚薬は,マキの秘部に染みこんでいく。
 微量のアルコールにも弱いマキには,文字通りの劇薬だった。

「はぁ・・はぁ・・・」
 呼吸も荒く,頬を紅く染めたマキは,自分の身体が淫らに反応していることを感じずにはいられ
なかった。
 延々と際限なく,媚薬とローターに責め続けられる秘部は,いつの間にか熱く蕩けていた。
 パンティの内側は,ヌルヌルとしたヌメリで溢れている。
 押さえつけられたローターの侵入を阻むものは何もない。
 椅子に座った身体に押さえつけられていたローターが,ついに,その先端で熱く濡れた入り口を
捉え始める。
・・あ・・あ・・・だめ・・・入ってくる・・・
 しかし,その身体は,むしろ満たされる悦びで受け容れていくようだった。
「く・・・く・・・・」
 マキは,手に持った鉛筆を握り締める。
 体内へ続く小さな入り口に,ブルブルと震えるものが徐々に侵入して来る。
 小さいながらも,ペニスの先端のような形をしたものが・・・
・・っ・・・
 痛みのような熱さが秘部に閃く。
 まだ慣れていない自分のそこが,強引に広げられていく痛みと熱さ。
 しかしその奧には,そのようなものさえ忘れてしまうほどの,いや,痛みでさえも甘く感じさせ
る,切なく甘い痺れが大きく渦巻いている。
 媚薬の効能だった。
「はぁ・・・ぅっ・・・」
 堪らず,腰がくねる。
 身体の奧から熱いものが溢れ,マキは咥え込んだ物体をギュッと締め付けた。
 軟らかく弾力のある物体が,一層強く振動したように感じられた。

 休み時間になった。
・・もう・・限界だ・・・
 額や首筋に,べったりとした汗を滲ませ,マキは立ち上がった。
 教室にいれば,もうすぐ友人たちが雪崩れ込んでくるのは目に見えている。
 この学校に来て,初めてできた友だち。
 エアマスターとしての自分を,変な目で見ることなく親友として接してくれる友だち。
 しかし今は,そのフレンドリーさを鬱陶しく感じそうだった。
 第一,今は,満足に受け答えすら出来そうにない。
・・早く・・出なきゃ・・・
 マキは,心身共にフラフラだった。
 授業が終わるや否や,マキはよろめくような足取りで,しかし急いで教室から離れる。
 後ろの方で,自分を呼ぶ声が聞こえたような気もするが,マキは振り返ることなく逃げるように
その場を離れた。

 学校から少し離れた茂みにある木陰。
 そこに腰を下ろしたマキは,大きな溜め息をついた。
「はあ・・ぁっ・・・」
 今まで耐え,我慢し続けていた溜め息は,マキ自身が驚くほど艶やかな色に満ちていた。
・・何て・・イヤらしい声・・・
 しかし,低木と雑草に囲まれ,人気がないこの場所でなら,人目をはばかることもない。
 マキは,火照った身体を抱き締め,さっきから疼き続けている下半身に目を向ける。
ビィーーーーーーーーン・・・・
 下着の中で,イヤらしく蠢くローターが忌々しかった。
 秘部に埋め込まれたまま,抜くことも出来ずに責め苛まれる苦しさは,もう限界だった。
・・やっと・・解放できる・・・
 マキは,太い木の幹に背をまかせ,ゆっくりと唇を開いた。
 目を瞑り,襲ってくる快感に身を任せる。
「はぁ,はあ・・うっ,はあ・・んっ・・」
 我慢をする,というブレーキを外された声が,自然と漏れてくる。
 人目をはばかり耐える必要は,もうなかった。
 マキは,快感のままに身体をくねらせる。
・・ああ・・・凄く・・気持ちいい・・・・
 マキは,自らを解放する心地よさに酔いしれた。
 身体を快感に震わせ,草原を掻きむしり,切なげに声を上げる。
「あ・っ・・ん・・うぅ・っくぅ・・っ・・ん」
 秘部は,感覚が無くなりそうなほどに痺れ,快感はどうしようもないほど高まっていく。

・・も,もう・・・駄目・・・私・・・
 悦楽に顔を歪めるマキの脳裏に,不意に,深道の顔が浮かぶ。
 何を考えているのか,まるでうかがいしれないその顔。
・・あいつ・・これもどこかで見ているのか・・どこかで・・笑っているのか・・・
 ローターが,遠隔操作で作動している以上,恐らく近くに深道がいるのだろう。
 どこかに仕掛けたカメラで,自分の姿が見られていることも十分に考えられた。
 しかし,もうそんなこともブレーキになりはしなかった。
・・殺してやる・・・絶対に許さない・・・こんなことを私に・・私に・・・
 マキの手が,スカートの中に潜り込む。
 ぐっしょりに濡れたパンティの中心で,淫らに振動するモノに指を添える。
 震える指先が,それをしっかりと捉える。
「深道・・・見ているんでしょ・・・あなたの勝ちよ・・」
 マキは小さく呟き,そして,指でローターを奧にぐっと押し入れた。
 ペニスのような広がりを持った先端が,体内を突き進んでくる。
 ビクビクッと,しなやかな身体が痙攣した。

「う・・んっ!・・・」
 角度を少し変えてやるだけで,腰に鮮烈な衝撃が奔る。
 グルグルと円を描くように回すと,甘美な刺激が腰全体に広がってくる。
 声を上げずにはいられない悦楽に,マキは心を奪われていた。
・・もっと・・・今度は,もう少し・・・上・・・・
 呼吸も荒くローターを引き抜き,さっきから疼いて仕方がない小さな先端部分を目指す。
 ローターの強い刺激に耐えられるか・・・という不安は無かった。
 既に,『痛み』は『快感』と同義だった。
 それほどマキの身体は欲情しきっていた。
 ローターの震えが官能を揺さぶり,身体の芯が熱く蕩けていく。
・・イキそう・・もう少し・・もう少しで・・・
 マキにとって,これほどまで高みに昇り詰めた経験などない。
 紅潮した頬が期待感に満ち,快感を訴える唇が震える。

「ああうぅんっ!」
 細かく鋭く振動するローターの先端と,マキの小さな突起が接触した瞬間,強烈すぎる痺れが
ビリビリと背筋を駆け上った。
 マキは背を反らし,悲鳴を上げた。
 一瞬で昂り詰めた身体は,硬直から解ける間もなくピクピクと小さな痙攣を始める。
 しかし,マキは指を離すことなく,なおもローターを強く押しつける。
「はううぅ・・っ・・」
 息が止まる。
 頭の中が白くなる。
・・すご・・・ぃ・・・
 次の絶頂は,すぐそこに見えていた。
「ああああぁーーーっ」
 息も絶え絶えになりながら,マキは絶頂を迎え続けた。


 どれくらいの時が経ったのだろう。
 辺りは真っ暗だった。
「はっ・・!」
 マキは跳び起きた。
「時間はっ!?」
 約束のストリートファイトの時刻は,とっくに過ぎていた。

 呆然と立ち尽くすマキの頭上から,涼しげな声が降ってくる。
「やっと,お目覚めのようだね,エアマスター。プレゼントを気に入ってもらったようで何よりだ」
「ふ,深道っ!!」
「さっきの君の洞察の通りだ。しっかりと楽しませてもらったよ。気を失うまで使ってくれて嬉しい
よ。あんなイイ画像は,そうそう撮れるものじゃない。撮られていることを分かっていながら,ああ
いう行為に及んでくれるとは・・・ふふふ,君には大変感謝しているよ・・」
「くっ・・・」
「赤外線を付けているのでね,君の魅力的な怒った顔もよく見えるよ。さて・・・」
 一呼吸おいて,深道は言葉を続けた。
「ストリートファイトをサボったペナルティは受けてもらう」
 それは,重い宣告も同じだった。
 逆らえばどうなるかは分かっている。
 マキは唇を噛み締め,声のする方を見上げる。
「分かっている・・・・何をすればいい?」

 深道は,押し殺したような笑いを漏らす。
「くくくっ・・・本当は,分かっているはずだろう? エアマスターともあろう者が,気付かない
わけがあるまい?」
「やっぱり・・・・そうか・・」
 マキは溜め息をつき,暗闇に目を凝らした。
 茂みの向こうに蠢き,近づいてくるモノがある。
 浮浪者,酔っぱらい,得体の知れない男たち・・・何れも夜の公園を縄張りに,機会さえあれば,
自らの歪み溜まった欲望を吐き出そうとしている者たちだった。


         続く 風俗 デリヘル SMクラブ