「東城の秋」U.体育教師「鍛冶編」 1.痴漢
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第1回



「どう,東城さん? 女同士というのも,そんなに悪くないものでしょ? 気持ちいい?」
「んっ! ああっ! 先生,先生っ! いいっ!・・・気持ちいいですっ!」
「明日もいらっしゃい,いいわね? ちゃんと来るのよ?」
「はいっ!・・来ます!・・・約束通り,明日も来ますからっ」
「ふふふ・・いい子ね。そんなにイキたいの? それじゃ,ご褒美よ・・ほらっ,イキなさい」
「ああぁーっ! 先生ぇーっ!」
 夏休み中の音楽教官室で絡み合う,二つの美しい裸身。
 東城は,半ば以上,自分から求めてこの部屋にやってきては水城に抱かれていた。

・・どうして・・・私は,今日も来てしまったんだろう・・・
 自己嫌悪に苛まれながら,東城は学校を後にする。
 いつも決心はするのだ。
 もうやめよう・・・もう水城に抱かれるのはやめにしよう・・・と。
 水城の魔力に負け,体の疼きに負けてしまう自分が恨めしい。
・・どうして,私は水城先生を求めてしまうの・・・体だけ?・・・
 体だけの魔力だとしたら,どんなにか楽だったことだろう。
 しかし,そこで,単なる肉欲の魔力だけと言い切れないところに,東城の迷いがある。
 あの,胸の内すべてを見透かしたような瞳。
 深みのある謎めいた言葉。
 最初は訳が分からないながらも,本能的に肯定するしかないような凄味を感じてしまう。
 抱かれているときの安心感は,絶大だった。
・・水城先生は・・・誰も知らない私のことを・・・本当の私を知っていた・・・
 結局のところ,そこに行き着く。
 今までは,満ち足りていないことに気づいてもいなかった。
 心の奥底では求めていたとしても,仕方のないことだと思っていた。
・・でも・・私は・・・知ってしまった・・・・
 そこで,あの安心感を知ってしまった。
 何一つとして否定されることなく,自分の本当の姿を理解される・・・そして導かれ,抱かれる
安心感を知ってしまった。
 水城の,余裕を持った導き,そして誘いは,東城にとってとても抗しきれないほどの力を持って
いた。
 一度知ってしまうと,それが側にないことが,とてつもなく寂しく感じられる。
 その損失感を埋められるものは,今の東城には無かった。

・・でも・・やっぱり,もうやめよう・・・
 水城の魔力に耐えられるかどうか不安になりながら,東城はバスに乗り込む。
・・そうでないと,とても真中くんに顔を合わせられない・・
 鞄をギュッと,胸に強く抱く。
 真中という存在は,東城にとって,何にもまして優先される存在だった。
 言ってみれば,自分のことよりも大切だった。
 そこには,真中が,自分の方を向いてくれるかどうかとは関係ない。
 側にいてくれるだけで,元気が出てくる人・・・
 いろいろなものに感銘を受けた感動を分かち合いたい人・・・
 そして,一緒に歩みたい人・・・
・・ふふっ・・本当にそうなれたら,いいんだけど・・なぁ・・・
 くすり,と苦笑する東城の心は,知らず知らずのうちに晴れ渡っていく。
 つまり,真中とは,そういう存在だった。


「まさか,水城とイケナイことしていたなんてなあ・・・へへへ・・・最高じゃねぇか」
 確信を持った目で,バスの中で背後をとった男。
 今日一日,ずっと様子を窺い,後を尾けていた存在に,東城は気づかなかった。

 体育教師,鍛冶。40歳。独身。
「女子校生好きなカジオヤジ」
 と言えば,生徒で知らぬものはない。
 ガッチリとした体型ながら,少しもスポーツマンに見えないのは,その容姿からだろうか。
 鈍く澱んだ目は,女子校生を見るときだけは,獲物を求めるようにギラギラと光る。
 常にはき続けている,よれよれの汚らしいジャージはトレードマークにもなり,特に女子生徒の
生理的な嫌悪感を誘っている。
 短髪にしても少しも精悍に見えず,かえって好色さを際だたせてしまう顔つきも,噂話に拍車を
かけていた。

「きっと,あのカジオヤジ,女がいないもんだから,うちの女子をオカズにしてんだぜ」
「ああ,あり得る,あり得る。短パン姿の女子を,凄ぇイヤらしい目で見てるもんな」
「ビデオ鑑賞が趣味かもな。体育で盗み撮りした若々しい女子生徒の体を・・・へへへ」
「アブねぇのは,お前の方だろ。でもよ・・・カジだったら,それくらいヤっててもおかしくない
よなぁ・・」
「だろ? Tシャツから覗く胸とか,短パンの隙間とかお尻とか・・・アップで撮っていたら見せ
てもらいてぇよな」
「へへへっ,カジは誰でヌいてるんだろうな。なあなあ,お前だったら誰でヌキたい?」

 男子生徒たちの他愛もない話は,半分は当たっていた。
 昨夜も,夜食にカップラーメンを啜りながら,昼間に盗み撮りした女子校生たちの溌剌とスポーツ
に興じる姿に,溜まりきった歪んだ欲望を吐き出したばかりだった。
 しかし,それがすべてではなかった。
 いつか女子生徒の弱みを握ってモノにしてやるという欲望を滾らせ,機会を窺っていたという点
において,男子生徒たちの予想を遙か邪悪に上回っていた。

・・何か妙だなとは思っていたんだよな・・・今日は,まったくいい日だぜ・・・あの東城をこれ
から・・ぐひひひっ・・
 昨夜もビデオで見た,東城の顔が,姿が,鍛冶の頭にはっきりと浮かぶ。
・・東城ほどの女は無理だと思っていたが・・ぐふふふっ,お前の体を自由に出来る日がくるなん
てなあ・・・見てろよ・・・
 バスの中で東城の体に密着していきながら,鍛冶は,はやる興奮に息を弾ませた。


第2回



・・んっ・・何だろう。鞄かな・・
 東城は,最初それが手だとは思わなかった。
 開いたまま閉じられないでいる両脚の間に入ったそれは,太腿の間を滑り上がっていき,それと
ともにスカートが徐々に捲れ上がっていく。
・・どうしよう・・早く気づいてくれないと,スカートが捲れ上がってしまう・・
 この混雑の中,自分の手で鞄を除けるのはなかなか難しい。
 東城は,焦りながら周囲を見渡した。
 ところが,誰も素知らぬ感じで,東城の異変に関心を示してくれそうな様子はない。
 そうこうする間にも,今度は,捲れ上がりかけたスカートの中に鞄が押し込まれてくる。
・・あ,あ・・いや・・何とかしないと・・
 ガタガタと大きく車内が揺れ,周囲から押される息苦しさに,小さな息が漏れた。
 このままだと,鞄はますます奥の方まで押し込まれてくる。
・・そうなったら・・
 股間に鞄を挟み込んだ自分の恥ずかしい姿を,周囲に晒してしまわないとも限らない。
 東城は,鞄を脚の間から除けようと,必死に腰を退いた。
「んっ・・」
 そのとき,身震いするような何かが,太腿の神経に閃く。
 東城は,思わず漏らしてしまった声に驚き,慌てて口を閉じた。
・・なに? 今の・・・
 太腿に直接,一瞬だけ触れた,あの生温かく柔らかい感触。
 鞄にあんな部分があっただろうかと不思議に思う間もなく,東城を新たな異変が襲う。
・・ぁっ・・
 胸のすぐ下をもぞもぞと動く,後ろから回された手が東城の目に映っていた。
 目の前で蠢くその手は,狭い隙間を縫うように,じわじわと胸を這い上がって来る。
「うん・・っ・・」
 胸の膨らみに軽く手が当たり,体に奔る反応を堪えつつも,東城はまだそれが痴漢だとは思えな
いでいた。
・・どうして,後ろの人の手が私の前に・・
 その手に,自分を狙うイヤらしさが込められているとはつゆ知らず,東城はただただ,これには
相手も困っているのだろうとしか考えられない。
・・この混雑で,手が抜けなくなって困っているのかも知れない・・それだったら,私が協力して
あげないと・・
 困っている人は助けるのが当然と思う東城である。
 懸命に,ぐっと体を退き,手が抜け出すには十分な隙間をつくってやる。
 だが,その行為は仇となった。
 自由に動くようになった手は,動きやすくなったのを幸い,セーラー服の裾から胸の中に一気に
潜り込んでくる。
「あ・・ふっ・・」
 変な声が出そうになるのを抑えながら,東城は混乱した。
・・え・・何・・・どうして制服の胸の中に・・・
 その答えはすぐに出た。
 セーラー服の中,豊かな胸の膨らみが,温かな手の平にゆっくりと押し包まれていく。
・・もしかして・・痴漢・・?・・・
 人を疑ったり,悪く思ったりすることなどできない東城にも,今やっと自分がされている状況を
理解することができる。
 制服の中で,探り当てた胸を,鷲掴みにしている手。
 スカートを,再び捲り上げようとしているもう一つの手。
 さっきまで鞄だと思っていたのは,痴漢の手だったのだ。
 そして,後ろから抱き竦めるようにして密着してくる,痴漢の興奮した息遣い。
・・私・・痴漢をされている・・の?・・・い,いや・・
 心臓が,急にドキドキと早鐘を打ち始める。
 見ず知らずの人間に,バスの中でこのようなことをされるなど・・
・・どうしよう・・・誰か・・真中君・・
 東城は,恥ずかしさに頬をカーッと熱く紅潮させ,俯いた。


・・おぉ・・っ・・
 鍛冶は,その感触の素晴らしさに,心の中で歓声を上げていた。
 東城を抱き竦めた腰には,ふわりとした柔らかなヒップを感じる。
 セーラー服を通しても伝わってくる,東城の体つき。心地よい柔らかさ。
・・おぉ・・感じるぜぇ・・ひっひっひ・・これが女子生徒の尻だぁ・・それにしても,この感触
は最高だな。東城,お前の裸を抱いているみたいだぜぇ・・
 実際,後ろから密着してみると,服の上からは分からない女の体の感触が,それこそ全身あます
ところ無く伝わってくる。
 今まで,眺めるだけで我慢するしかなかった女子生徒の体・・鍛冶は,溜まりきった欲望に有頂
天だった。
 ふわっと漂ってくる,男心を刺激するような香りがそれに輪をかける。
・・これが,女の髪の匂いってやつか? いや,そこのうなじから匂わせているのか? 何とも男
を誘う匂いさせるじゃねぇか・・
 目の前の白いうなじ・・・見るからに清らかそうなのが,鍛冶は前からのお気に入りだった。
 熱い視線を注ぎながら,すぐにでもベッタリと口を押しつけて,滅茶苦茶に舐め回してやりたい
衝動を必死に堪える。
・・ぐへへへ・・それは,後のお楽しみにとっておかなきゃな。短いバスの時間は,有効に使わな
きゃバチが当たるってもんだ・・
 鍛冶は,興奮に唇を舐め回しながら,スカートの裾を再び捲り上げ始めた。

「は・・・ぁっ・・」
 俯いた朱色の唇が,微かな息を吐く。
 スカートの中のスベスベとした太腿を撫で回しながら,鍛冶は東城の戸惑いを片時も見逃しては
いなかった。
 セーラー服の中,潜り込ませた右手には,怯えたように震える乳房がある。
 緊張からか,抵抗どころか声も出せず,ただじっとりと汗ばんだ乳房・・
 欲望の手を遮るものは,もうブラジャー以外には何もない。
・・うひひっ,まさか胸を触りやすいように空間をつくってくれるとはなあ。ひひっ,東城,自分
が悪いんだぜぇ・・お前の親切心は,気持ちよさで返してやるからな・・
 鍛冶は,無抵抗の太腿を太い指先でなぞり上げた。
 もう少し奥に進めるだけで,肝心なところに指が触れそうだというのに,東城はピクピクと体を
反応させるだけで,何の抵抗もすることができないでいる。
 スカートを捲られ胸を揉まれ,やめて,やめてと思いながら,声も出せずに儚い希望にすがり,
こちらの出方をじっと待つしかない美少女。
 鍛冶は,内心ほくそ笑んでいた。
・・思った通りだな・・コイツは,男慣れした他の女どもとは違う。何しろ,男に話しかけられる
だけで,恥ずかしさに逃げ出したそうな顔をする女だからな・・
 鍛冶は,この美少女の極度の恥ずかしがりによって,告白に挑んだ何人もの男子生徒が失敗する
様を今まで何度も見ていた。
・・うひひひっ・・アイツらも馬鹿な奴らだ。こういう女は,こうやって強引にやればモノにでき
るってぇのによ。せいぜい,コイツの裸を想像して一人で慰めてろってんだ・・
 鍛冶は,どの男も手出しができなかった東城という美少女を,自分が手にしている優越感に浸っ
ていた。
・・アイツら・・頭の中で,東城のオッパイを揉んでたんだろうな・・・ひひっ,残念だったな。
コイツのオッパイを揉んでいるのは,この俺だ・・
 レースのたくさんついた,可愛らしいデザインのブラジャーなのだろう。
 その手触りを楽しみながら,鍛冶は指先だけで胸の豊かな膨らみを揉み始める。
・・東城,お前のオッパイ,先生が揉んでやるぞ・・うひひひっ,先生に揉んでもらえるなんて,
考えたこともなかったろうなあ・・幸せかぁ?・・
 胸に愛撫を加えられる東城が,どんな反応を示すのか・・・美しいものを,じわじわと嬲り穢す
悦びは,鍛冶の股間をガチガチに硬くした。

「ぁ・・あぁ・・はっ・・」
 ピクと上体が反応し,華奢な肩が小刻みに震える。
 本当ならば,悲鳴を上げてこちらの手を振り切りたいほどの恥ずかしさなのだろうが,それが東
城の限界なのだろう。
・・逃げられないだろう? 逃げられないついでに,気持ちよくしてやるからな・・
 鍛冶は,東城のうなじに顔を埋めんばかりに近づけて,ブラジャー越しの乳房を揉み上げた。
 熱く汗ばむ豊かな胸を撫で回し,強弱をつけて揉み回す。
 もう片方の手は,スカートの中で,脚の付け根ギリギリの処を何度もなぞってやる。
「ん・・・うっ・・ぁ」
 腕の中で,東城の体はガクガクと震えていた。
 頬を紅く染め,吐息を苦しげに漏らすその顔は,誰にも見られまいとするように深く俯く。
・・くくくっ・・恥ずかしいのか? そりゃ,男にオッパイを直接触られて,スカートの中に手を
入れられるなんて,東城には恥ずかしくて堪らないことだよなあ? 分かる,分かる。先生には,
お前の気持ちがよく分かるぞ。しかし,これがいろんな男どもの頭の中で,お前がされていたイヤ
らしいことなんだぞ・・ほらほら,もっとイヤらしいことされていくぞぅ・・どんな気分だぁ?・・
 鍛冶は,指を滑り込ませたブラジャーのカップの中で,小さく息づく乳首を摘んだ。
 同時に,下半身を責める指先を,東城の中心にそっと宛がう。
「く! はあぅ・・っ!」
 東城の体が,ビクンと大きく跳ね上がった。


第3回



「うんっ! く,く,くぅ・・んっ・・」
 東城は,口に手を宛がい,漏れそうになる声を必死になって堪えた。
 セーラー服の中に潜り込んだ手は,さながら2匹の太い蛇のように体をまさぐっている。
・・い,いやぁ・・・そんなことっ・・そんなことしないでっ・・
 我が物顔に体を這う痴漢の手に身を竦め,東城はぎゅっと目を瞑った。
 制服の中で胸が揉まれ,内部で暴き出された小さな胸の頂点が,チロチロと転がされている。
・・あぁ・・ぁ・・指が・・胸をっ・・あぁっ,触られているっ・・やめて,触らないでっ・・
 身を捩る乳房が大きな手に掴まれ,ピリピリとする感じが乳首に奔った。
 下半身で,両脚の間に入り込んだ手は,指を下着越しの秘処にピタッと貼り付かせ,女の最も恥
ずかしい部分を確かめ楽しむように,ごく軽く微かな力のみを加えてくる。
 パンティ越しとはいっても,指がそこにあるという存在感は圧倒的だった。
・・いや,いやっ・・こんなイヤらしいことっ・・どうしてっ・・
 バスの中で,ブラジャーを剥かれ,秘部を触られるなど考えたこともないことだった。
 服を着ているのに,裸身を晒しているかのような感覚。
 顔から火が出るほど恥ずかしい。
 乳房をやわやわと包み込む手の圧力,秘処に宛がわれた指の圧力は,もはや疑いようもなく,自
分に向けられた痴漢の欲望の具現だった。
 そして,お尻に感じる,硬く熱い棒状のモノ・・
・・あ・・あぁ・・っ・・これは・・っ・・・そんなことって・・
 腰に,意識が集中される。
 その存在を誇示するかのように,ヒップの弾力に埋まり込んでくる硬い物体。
 東城といえども,それが何なのか分からないわけではない。
・・男の人の・・が・・私のお尻にっ・・・硬くなって・・そんなっ・・い,いやぁ・・
 俯き,目を瞑ったまま,東城はそのショックにふるふると顔を左右に振った。
 脳裏に,その形や大きさまでもが,はっきりと浮かび上がってくるのを感じる。
 時折,ピクピクと痙攣するように動く,まるで一つの生き物のような男性器。
 今まで,触れたことはもちろん見たことさえなかった。
 それなのに・・
・・あぁ,ぁ・・こんなイヤらしいこと・・っ・・
 卑猥なモノを押しつけられてもじっと我慢するより他なく,体は羞恥のあまり熱く火照った。
「はぁ・・ぁっ・・ぁぅ・・っ」
 東城は,唇を戦慄かせ,苦しげに息を吐く。
・・いや,いや・・お尻に押しつけてこないで・・・気持ち悪い・・・
 しかし,腰を前に逃がすことはできなかった。
 そんなことをすれば,スカートの中で両脚の間に差し込まれた太い指に,自ら秘処を強く擦りつ
けてしまうことになってしまう。
「はぁ・・はぁ・・お前,凄ぇ可愛いぜ・・ひひひっ,顔に似合わず,オッパイは大きいんだな。
なかなか揉みがいがあるぜ,へへへ」
「あっ・・く・・っ・・」
 痴漢の興奮した声が,荒い息遣いとともに耳にかかった。
 淫猥な声と息に,敏感な耳をビクッとさせ,東城は瞑った目に強く力を込める。
・・いや・・怖い・・どうすればいいの・・・
 もう,耐える以外に,どうしていいのか分からなかった。
 両脚の膝が,ガクガクと震えた。

「逃げなくてもいいのか? へへへ・・俺の指,気持ちいいんだろ? ココがイイのか?」
 低く押し殺しながらも,東城の耳にはっきりと囁かれる痴漢の声。
 それとともに,秘処を弄ぶ指が,軽い振動とともに押し込まれてくる。
「ん・・うぅ・・っ」
 再び,耳がゾクッと粟立った。
 怖気が立つほどの気持ち悪さ。
 そして,強烈な恥ずかしさ。
・・許して・・お願いっ・・もうそんな恥ずかしい処を触らないでっ・・・
 東城は,カバンを握り締めて,秘処に宛がわれた指の感触に必死に耐えた。
 両脚の間に差し込まれた指は,東城の戸惑いを誘い,精神的にじわじわと追い詰めてくるかのよ
うに,パンティ越しの花びらの形に沿って,前後に隈無くなぞり回してくる。
・・あぁ・・っ・・そんな・・そんな処を・・っ・・い,いやっ・・
 決して強いタッチではなく,羞恥心を煽るかのような,そこはかとないタッチ・・
 それだけに,ねっとりとした指の動きに意識は集中し,神経は鋭敏になっていく。
 軽いタッチに対しても,強い反応を返してしまうのは当然のことだった。
「くくくっ,やっぱりココか? 可愛い顔して,ココがそんなに気持ちいいのか?」
「い・・ぃっ・・」
 パンティ越しに花びらが軽く撫でられ,くにゅくにゅとソフトに捏ねられる。
 ただそれだけでも,自分が痴漢されているという耐え難い恥ずかしさを感じている東城にとって
は,この上なく峻烈な刺激以外の何ものでもない。
・・あ,あ,あぁっ・・そ,そんな触り方っ・・い,いやっ・・お,おかしくなっちゃうっ・・
 東城は思わず,爪先立って逃れようとした。
 しかし,そんなもので痴漢の指をかわすことなどできるわけもない。
「これくらいで,こんなに反応するなんてよ。いひひっ・・お前,相当感じやすいんだな」
「くっ・・は・・ぁっ・・ぁ・・ぁぁっ」
 追いかけてきた指が,続きを楽しもうと秘処にゆっくりと食い込んでくるのを,東城は為す術も
なく歯を食いしばって耐える他はなかった。
・・私っ・・どうしたらいいの・・・こんなの嫌・・真中君っ・・お願い,助けて・・
 為す術の何もない状況の中,東城は大好きな真中の顔を思い浮かべた。
 しかし,体に奔るのは,淫らな欲望に満ちた手指の刺激・・・逃れようがない。
 どんなに頑張ってみても,体を這う淫らな指の感触を,どうしても意識から切り離すことはでき
ず,すぐに痴漢の行為に心が囚われてしまう。
・・こんなの嫌・・嫌なのに・・・どうして,こんなこと・・・
 目に薄く涙を滲ませ,東城は羞恥に震える。
 それでも,バスの車内で騒いだり強く抵抗したりするなど,とてもできることではなかった。

 鍛冶の目の前で,ギュッと唇を結んだ東城が映る。
・・いひひひっ・・やっぱりお前は,最高にいい生徒だ・・顔良し,体良し,そして性格も良しの
三拍子が揃った極上の女生徒とくりゃ,憧れる男が多いのも当然か。よしよし・・そんな佳い女の
東城には,先生が特別にイイことを教えてやろう・・
 鍛冶は,淫らな欲望に疼く,ガチガチに張り詰めた男根を,東城の腰に強く押しつけた。
 同時に,セーラー服の中で小さく怯える胸の先端を,指先で丸く円を描くように刺激する。
・・これが東城の乳首か・・へへへ,流石は美少女の乳首だ,なかなか可愛いじゃねぇか。キツく
責めてやりたくなるぜ・・待ってろよ。すぐにビンビンに感じさせてやる・・・ココだって,けっ
こう弱いんだろう? え? ほら,こうか?・・
 鍛冶は,顔を伏せたままの美少女を見つめながら,更に熱を込めたイヤらしい手つきで,その揺
れる可憐な乳首に淫蕩な責めを加えていく。
「ぁっ・・は・・んっ・・・んうっ」
「ふふふっ,乳首も感じるか? ココを責められるのも好きか?」
 桜色に染まった瑞々しい肌が,切なくピクンと反応した。
 それでも東城は,素肌を這う指を振り払うこともできずに,ますます鋭敏になっていく神経を鍛
冶の思うがままに引き出されていく。
「気持ちいいか? オッパイが感じるんだろ? 何なら,もっと感じていいんだぜぇ・・」
「お・・お願いです・・も,もう・・やめてください・・」
 ついに東城の唇から,か細い声が漏れ出た。
 揺れ軋むバスの中,注意していなければ,到底聞こえない程度の声。
 しかし,ありったけの勇気を振り絞ったのだろう。
 ふっくらとした唇が,わなわなと震えているのを鍛冶は見た。
「いひひっ・・やめてくれないと,どうにかなっちゃいそうってか? いいじゃねぇか。おかしく
なってみろよ」
 小さな抵抗の言葉は,余計に鍛冶の興奮を煽り,欲望を熱く滾らせる。
 いくら嫌がっても,それ以上の抵抗ができないところが東城だということを鍛冶は知っていた。
 加虐心が燃え立つ。
「くくくっ,『お願いです』か? 『やめてください』か? 恥ずかしがらなくてもいいんだぜ。
健康な女の子の証拠じゃねぇか」
 情欲を昂ぶらせる鍛冶は,以前からのお目当てだった東城に,かぶりつかんばかりの勢いで,考
えつく限りのねちっこい責めの手を繰り出していく。
「そ,そんな・・そんなこと・・っ・・ん」
「へっへっへ・・いいじゃねぇか。いっぺん,男の思いのタケ,男の欲望ってヤツを,この体で味
わってみろよ。ほれ,俺のガチガチのコイツ・・分かるか?」
「あぁ・・お願い・・っふ・・ん・・こんなの・・いやです・・っ・・ん」
 頬を真っ赤に染め,大きな瞳を涙で濡らした美少女の姿は,鍛冶にはそれだけで十分すぎるほど
蠱惑的であり扇情的だった。

・・俺の肉棒を,尻に押しつけられるのはどんな気分だ? 男のドロドロした欲情を,コイツで感
じさせられるのは凄ぇ興奮ものだろが? へへへ,後ろからコイツに責められるのと,前から指で
弄られるのと,真面目な東城はどちらがお好みなのかな? 好きな方に,腰を押しつけていいんだ
ぜぇ・・
 グラインドする股間をヒップに押しつけながら,東城の前から股間に差し込んだ手を,あたかも
前後から包囲網を縮めていくかのように,徐々に奥の方へと這い進めていく。
「ほれほれ,いいのか? 逃げないと好きなように触られてしまうぞ・・・いひひっ,もっとも,
触られたけりゃアソコを押しつけてきてもいいけどな・・そらそら・・指がくるぞ」
「ぁっ・・・うぅ・・ぃぃ・・っ」
 東城の紅い唇が,ふるふると震えた。
 中指だけで触れられていた股間に,5本の指すべてを這わされ,柔らかな腰と太腿がブルブルと
小刻みに痙攣する。
「どうだ・・お前だって,本当はこういうことが好きなんだろう?」
「あう・・ぅっ・・い・・いやです・・・こんなこと・・っ・・」
 涙を薄く浮かべ,濡れた瞳を誰にも見られまいと顔を伏せる東城。
 その可憐なうなじ,耳,白かった素肌の全てが恥ずかしさに真っ赤に染まっていく。
 東城の官能的な姿態は,鍛冶を際限なく興奮させ,昂ぶらせていくようだった。
・・うひひひ・・・東城,いくら清楚な顔をしたお前だって体は女だ。どんなに嫌だって,イヤら
しいことされ続けりゃ,体が感じて男が欲しくなってしまうってこと,先生がきちんと教えてやる
からな・・
 ガタガタと軋み揺れるバスは,まだ乗り降りが大きな停留所には時間がある。
 これだけ揺れていれば,多少のことがあっても気づかれることはないだろう。
 鍛冶は舌なめずりをして,積もり続けた女子生徒への淫らな欲望を,制服の中に忍ばせた手指に
託し込めていく。
・・大人しくしてろよ・・お前だって,本当はこういうイヤらしいことが好きなんだぜ・・・隠さ
ないで体に正直になることを先生が指導してやる。そら,どんどん気持ちよくなるだろうが・・
 東城の若い素肌はどこもかしこもが敏感に,手指の侵入に対してビクビクと反応を示す。
 せめて周囲から気づかれることだけは避けようと,肩を小刻みに震わせながら,体をまさぐる手
に必死に耐える可憐な美少女の姿がそこにあった。

「うっ・・く,ぅん・・っ」
 東城は,次第に湧き上がってくる戸惑いを隠せないでいた。
・・だ,だめっ・・・胸が・・体が敏感になりすぎて・・っ・・じっとしていられない・・
 痴漢の指が,胸の敏感な先端を刺激する度,上体に震えが奔る。
 スカートの中で秘処に触れる指は,バスの微妙な揺れを利用して秘裂に浅く食い込みをみせ,体
の奥底からのズキズキとした切ない疼きを誘ってくる。
 体の反応を知っているかのような,その上下連携した責めは,東城を次第に追い詰めていた。
・・バスの中で・・こんなコトされるなんて・・・あぁ・・だめ・・こんなの,気がおかしくなり
そうっ・・堪らない・・っ・・・
 乳首を弄られ,切ない疼きに焦れてくる秘部を,絶妙に煽り責める5本の指先・・
 しかも,中途半端な秘部への責めは,体中の性感をかえって高めていく。
 素肌を撫でられる感触は,嫌であれば嫌であるほど鋭敏になり,心の中までも支配しようと浸食
してくるようだった。
「いひひっ・・こんなに大きなオッパイしやがって・・そんなに男に揉まれたいか? ほら,強く
揉んでやるよ・・・ひひっ,乳首も気持ちよさそうだな。ほれ,凄ぇ尖りようだぜ」
「はぁ・・ぁ・・・っ・・・だ,だめ・・っ・・」
 乳房を揉まれ,乳首を責められることで秘部が疼き・・
 秘部を中途半端に弄られることで,乳首の感度が上がっていく。
 その上下連携した手の動きは,東城を官能の渦に引きずり込もうと責め苛み,上体も腰も思う存
分にくねり動かしたい衝動を込み上げさせてくる。
『ほら,気持ちいいんだろう? こういうことされるのが好きなんだろう? イヤらしい女だ』
 痴漢の魔手は,そう勝ち誇るかのように,尖りきった乳首の先端をキュッキュッと摘む。
・・んぅ・・っ,そんな触り方っ・・あぁ・・ぅっ・・
 胸の突起が,すっかり硬くなってしまっているのが信じられなかった。
・・違うのっ・・違うのっ・・だから,お願いっ,そんなことしないでっ・・
 東城は戸惑い,焦っていた。
 胸を包み込んだ大きな手が,乳房を揉みほぐすような愛撫を始めると,唇が戦慄く。
 乳房を覆う,生々しい痴漢の手の感触・・
 左右の乳首を交互に摘み転がされ,ズキズキと疼く鋭い神経・・

 断罪の刻が到来を告げる。
「ふふふ・・・恥ずかしがってる振りして,もう濡れてきたじゃねぇか」
 痴漢が,笑いを含んだ声で耳元で囁く。
 東城は,凍り付く思いでその声を聞いた。
「ほれ・・分かるだろう?」
 パンティ越しに触れてくる指が,ヌルヌルと滑り始めていた。
 そして・・指の動きとともに,小さく感じる水音・・
・・そんな・・うそ・・
 声も出せず,頭が白く思考を停止する。
「ほれ見ろ。十分,悦んでいるぜ。清らかそうな顔して,本当は凄ぇイヤらしい体してんだな」
 指先が秘処に突き立ち,グリグリと下着を押し込みながら侵入してくる。
「はあぁ・・っ」
 堪えきれず,掠れた溜息が漏れた。
 それとともに,体の奥から熱いものが滲み出てくる。
・・あ,あぁ・・・そんな・・私・・・
 体が,痴漢の行為に悦び,歓迎の意を表している・・
 東城は,自分の体の裏切りにうなだれた。


第4回



「はあ・・ぁっ・・ぅふ・・んっ」
 吐息が熱い。
 指の動きとともに,次第に潤いを増してくるパンティの内側。
 痴漢の5本の指は,閉じられないでいる両脚の間を,ヌラヌラと滑りながら何度も往復している。
 薄布を,秘裂の形に沿ってなぞられる。
・・バスの中で・・んっ・・私が・・こんなことっ・・されているなんて・・
 喘ぐ吐息を一刻毎に増していきながら,頭の片隅では,拒絶の声を出すなら最初だったのかもしれ
ないと後悔していた。
 今となっては,痴漢の行為を受け入れていたのだと,周囲に思われても否定のしようがない。
 乗車時間が長い特急バスとはいっても,停留所は幾つかを過ぎていた。
『降りる素振りを見せたら,スカートを剥ぎ取ってこの濡れたアソコを乗客に見せつけてやる。これ
が,俺たちのプレイなんだって言ったら,みんなはどう思うだろうな』
 先ほどの,耳の奥に囁かれた痴漢の声が離れない。
 痴漢に脅しを受けていたと助けを求めても・・どんなに懸命に訴えても,誰も真剣には取り合っ
てはくれないだろうと東城には思える。
・・どうしてしまったの・・私の体・・なぜ痴漢されて・・・こんなになっているの・・
 東城は悲哀に満ちた瞳で,我が身を見つめた。
 痴漢の指の動きに呼応する水音。 濡れてしまっている下着。
 全身が火照り,背中を流れ落ちる汗。 熱っぽく弾む息。
 指の動きとともに,腰部に奔る重い痺れ。 小刻みな痙攣。
 どこから見ても,どこをどう考えても,快感に感じてしまっている状態にしか見えない。
 東城の頭にあるのは,痴漢に対する悔しさではなく,自分に対する嫌悪だった。
・・こんな恥ずかしい私・・こんな状態・・誰にも見られたくない・・誰か,私のことを知っている
人がいたら・・そして,真中君に知られたら・・そんなの絶対いや・・
 東城は,痴漢を拒絶しながらも耐えることを選ばざるを得なかった。


・・あ・・ファスナーが開けられて・・いやっ,そんなところから手をっ・・くぅ・・んっ・・
 今までスカートを捲り上げていた手が,巧妙にもファスナー部からの侵入に切り替え,再び中に
潜り込んでくる。
 周囲に悟られにくくなる分,もっと大胆に痴漢行為をエスカレートさせようという狙いがあるの
は明白だった。
・・あ・・あっ・・これ以上,触り続けられると・・ぁ,ぁっ・・もぅ,やだっ・・
 欲望に満ちた指先は,パンティ越しの肌にイヤらしい感触を伝えながら,再び潜り込んだスカート
の中を易々と下半身に向かって伸びてくる。
 苦悶する心を嘲笑うように,サラサラとした下着に包まれた肌を滑り降りてくる。
・・だめっ・・これ以上されたら,体が変にされちゃう・・このままだと・・私っ・・
 東城は,焦っていた。
 痴漢の指先に,ジンジンと甘く痺れ続ける腰。
 懸命に抑えても,喉の奥からせり上がってこようとする喘ぎ声。
 理性を強く保っていなければ,腰が衝動的に独りでにくねり動こうとしてしまう。
 背筋を奔る甘美な刺激をどんなに堪えようとしても,神経を直接に爪弾かれているかのような感覚
の前では,忍耐などまるで無力だった。
 バスの車内であるにもかかわらず,悲鳴すら上げさせられそうになる。
・・いや,いやっ・・私が・・私でなくなっちゃう・・っ・・触らないでっ・・
 それは,恐怖だった。
 しかし,身じろぎすることですら,人の壁に揉まれている満員バスの車内では叶わない。
 痴漢の手先は悠々と,再び東城の秘肉を捉えた。
「ぁ!・・はぁぁ・・っ・・くっ」
 指が丘の中心に触れた瞬間,閃くような電撃が弾ける。
 もう少しで,悲鳴になりそうなところを,ぐっと奥歯を噛みしめることで何とか堪える。
 しかし,ビクビクと反応する腰を抑えるまでの余裕は無かった。
・・くうぅ・・んっ・・はあぁ・・あっ・・そ,そこは・・だめぇ・・っ・・
 指の嬲りに,背と顎を反り返らせて体の疼きを必死になって押さえ込む。
 腰が,ゾクゾクとした震えに包まれていた。
 そのとき・・
「はっ・・!」
 顔を上げ,薄目をゆっくりと開けた東城は,顔を瞬間的に強張らせた。
 人の壁の狭間で,こちらを向いている顔・・
 そこには,じっと東城の目を見つめる男の目があった。

・・お? ひょっとすると,これは面白ぇかもな・・
 鍛冶は,東城を挟んだ正面の男の様子に,内心ニヤニヤとしていた。
 その男が,東城の様子を気にしているのは知っていた。
 東城ほどの美少女だ。
 人目を引かない方が無理というモノだろうが,この男の場合,痴漢行為を止めさせようという意
図があるわけではないようだ。
 顔を赤く上気させ,鼻息も荒く小鼻を膨らませた表情。
 何より,目つきが普通ではない。
 明らかに痴漢されている東城に興奮している。
 それでも,実際は,女一人モノにできないような男なのだろう。
 痴漢の便乗という絶好の機会を目の前にしながら,なかなか手を出す決心がつかないようである
らしかった。
 だが,昂ぶり膨らんだ欲望は隠しようもなく,鍛冶の目にもはっきりと見える。
・・くくくっ,小心者ほど,抑圧された欲望は凄いってな。ほらよ,痴漢のおこぼれにあずかりたい
んだろう? 触ってみろよ・・触って,この女を感じさせてみろよ・・・
 鍛冶は,不自然に盛り上がったセーラー服の胸元をわざと男に見せつけ,内側からブラジャーの
カップから剥き出しにした乳房を大きく揉み上げた。
「はぁ・・ぁ・・・ぅっ」
 精いっぱい押し殺した悩ましげな吐息とともに,豊かな乳房が押し上げられ,制服の切れた襟元
から,二つの白桃となって顔を覗かせる。
 そして・・美しい白桃を掴み食い込みを見せている,日に焼けた鍛冶の手。
「ぁ・・ぁぁ・・うぅ」
 長い睫毛を切なく伏せ,小さく呻く東城の胸元で,可愛らしいリボンが揺れた。
 乳房を揉まれる手でウネウネと胸元が蠢き,それを誰にも見られまいと,弄ばれる胸をそっと腕
で隠す東城の仕草。
 目の前の男にとっては,そのどれもが挑発的な光景であるに違いない。
・・ひひひっ・・触りたいか? 触りたいんだろう? ほら・・胸,触ってみろよ・・こんな女を
触れる機会,二度とは巡ってこないぜ・・
 鍛冶は,指先を立て,尖った乳首を突き転がした。
「ぁっ・・」
 柔らかそうな唇が,切なく震える。
 ごくっ・・
 東城の反応を見つめる男の,喉を鳴らして唾を飲み込む音が聞こえた。

・・み,見ないで・・っ・・お願いっ・・・
 東城は,男の視線を避けるように胸を腕で隠す。
 たとえ,見知らぬ人であっても,痴漢されていることを知られ,そして見られるのは嫌だった。
 しかし,視線を落とした東城の目の前・・
 胸を覆う腕の下,痴漢の責めを受けて,セーラー服の胸元がウネウネと蠢く。
 深く切れた襟からは,白い胸に絡みつく痴漢の浅黒い手が,チラチラと露わだった。
「・・・っ」
 声を出しそうになり,東城は喉の奥で懸命に堪えた。
 そのあまりの生々しさ。
・・これが,痴漢の手っ・・・私の胸があんな風にされているっ・・・
 痴漢の行為を,触られることだけで理解するのと,手の動きに触れたり目で見たりするのとでは,
まるでその感じ方が違う。
「ひ・・ぃっ・・」
 そのとき,背中から股間を弄る指先が,パンティの端を脇にずらした。
 そのまま,一気に内側にかいくぐってくる。
・・う,嘘っ・・そんなっ・・
 温かくヌルヌルに濡れた秘裂が,触手のように群がる5本の指先に直接なぞられた。
 クチュ・・ッ
 その,たった一撫でで,丸いヒップがビクンと跳ねる。
「ひぁ・・ぁぅっ」
 腰の奥に,強烈な痺れと悦楽が閃いた。

 慌てて口を押さえた東城のスカートの中,秘処の中心に突き立つ指が,花びらを掻き分け,小さ
な入り口を押し開いてくる。
 指とはいえ,女子校生の東城にとって,体を押し開かれ征服される感覚は圧倒的なものだった。
・・ゆ,指が中に入ってくるっ!・・い,いやぁっ!・・
 東城は,パニック寸前だった。
 だが,拒絶する意思とは逆に,指はヌルヌルと抵抗感もなく滑らかな動きで埋め込まれてくる。
・・痛っ・・こ,恐いっ・・誰か助けてっ・・
 痛み,恐怖,嫌悪・・そのどれもが東城の胸に込み上げてくる。
 しかし・・それ以上に,それにも増して喉の奥からせり上がってくるもの・・
 それは,ゾクゾクする異常なほどの快感に満たされた,甘い嗚咽だった。
「ぁぅっ・・んくぅ・・っ,ひぅ・んっ・・」
 東城は,自分の心に戸惑う。
・・ひっあぁ・・ぅっ・・私は感じていないっ・・感じないっ・・のに・・
 狂おしく心に込み上げてくるものに,罪悪感を覚える。
・・そんなこと,あるわけがないのにっ・・・どうしてこんなにっ! こんなこと・っ・・こんな
ことっ・・て・・・ぁあぁああぁっ!・・指が動いてるっ!・・こ,声が出ちゃうぅっ・・
 どうすればいいのか対処の術に迷う横顔を男に見せ,東城は,ただひたすらに指の責めに耐えき
ろうとし,失敗した。

「ぅぁ・・っ・・んふ・・ひぁ・・ぁ」
 秘口の奥で指を動かされ,みるみる表情を歪める顔が苦悶に満ちていく。
 真中はおろか,学校内の誰も,こんな自分の姿をイメージしてはいないだろう顔と声。
・・だめ・・イヤらしい声が・・あ・・あぁ・・おかしくっ・・なり・・そうっ・・・
 堪えても堪えきれない声が,押さえた口の端から小さく漏れ出た。
 平静を装うことは最早できず,表情の歪みはますます大きくなっていく。
「はぁ・・んぅ・・ぁ・・くっ・・くくぅっ」
 完全に根元まで埋め込まれた指が,グリグリと左右に何度もねじられ,腰のピクピクとした痙攣
が容易には治まらない。
・・そ・・そんな動きっ・・指をねじられると・・あああっ,す・・凄い・・ぃっ!・・もう・・
これ以上はダメ・・じっとしていられ・・ない・・っ・・
 全身から汗がどっと噴き出す。
 頭の中は,どうにかなってしまいそうだった。
・・もうダメ・・誰かっ・・誰か助けて・・っ・・
 そんな顔を見せることが挑発になるなどと,深く考えることもできないまま,東城は熱っぽく潤
んだ瞳を男に向ける。
「お願い・・助けて・・」
 男は,もうとっくに気づいているだろう。
 東城は,救いを求めたつもりだった。
 ごくっ・・
 再び,男の喉が鳴った。


「はぁっ・・ん・・ぅ」
 前後から伸ばされ,制服の中を自由に這い回る男たちの手に,東城は喘ぐ。
 3本の手が,乳房を掴み,揉み回し,そして尖った先端に触れている。
 セーラー服の裾から,左右両方の乳房を鷲掴みにした男の愛撫は執拗だった。
 今までも背後の痴漢に乳首を責められはしていたが,左右両方の乳首を同時に摘み転がされるの
は全く話は違う。
「くうぅ・・・んっ・・」
 指先に円を描くように先端をなぞられ,どうしても込み上げる甘い疼き。
 パンティの中では,指を根元まで埋め込まれた秘部が,止めどもなく熱い蜜を溢れさせていた。
・・ああぁ・・・こんなの・・凄すぎる・・っ・・・狂い・・そうっ・・
 もう,いつでもイキそうだった。
 体は熱い火照りに覆われ,絶頂前の痺れるような昂ぶりが,何度も押し寄せる波のように背筋を
奔っている。
 それなのに・・・
 背後から,秘口を犯している指は,ピタリと動きを止めていた。
 ただ,尖りきった乳首だけが,延々と嬲り続けられる。
・・あ・・あ・・ぁあ・・っ・・ど,どうして・・・っ・・
 乳首からの絶え間ない快感に,体の芯はもうドロドロに熱く蕩けていた。
 しかし,それだけでは絶頂に達することができない。
 息を乱した東城の腰に,もどかしい疼きがいっぱいに広がってくる。
 いつでも絶頂に達しそうなまま,それを迎えることができない焦れったさ。
・・痴漢の手で・・イカされるのはイヤっ・・で,でもっ・・このままじゃ・・私っ・・
 抑えきれない欲求が昂ぶり,押し寄せる痺れは頭の中にまで押し寄せる。
 東城は,イカされないでいることを喜ぶべきなのか,分からなくなりかけていた。
 二人がかりの痴漢の愛撫は,全身に及ぶ。
「くっ・・はあぁうぅっ・・っうん・・ん・・んんっ」
 熱情のこもった正面の男の手が,捲り上げたスカートの中で太腿に貼り付いた。
 そろりそろりと,太腿をイヤらしく愛撫する手。
・・あ・・ぁぁぅ・・んっ・・太腿に手が・・やだ・・指がっ・・んっ,なぞらないでっ・・
 なぞられ撫でられる太腿に,イヤらしい感じがいっぱいに広がってきて堪らなくなってくる。
 ただそれだけで,性感の昂ぶった太腿はガクガクと力なく崩れ落ちそうになる。
「ん・・んぅぅ・・んんっ・・」
 人目をはばかる東城は,奥歯を噛みしめ,震える半開きの唇を天井に向けて息を吐き出した。
・・こ,こんなこと続けられたらっ・・もう・・・
 微かに漏れた声は,バスのエンジンと車体の振動によって掻き消された。

 痴漢たちの責めは,まるで示し合わせていたかのように,絶妙に東城を追い込んでいく。
「はうぅ・・ぅっ!」
 ヒップの曲線から指を入れられていたパンティの中に,正面からも手が潜り込んできた。
・・ああぁっ!・・前からも手がっ!・・くくうう・・んっ・・そ,そんな・・っ!・・
 前後から,2本の手に責められる蕩けた秘肉・・
 その鮮烈な刺激に,痺れるような昂ぶりが一気に押し寄せ,快感を追い求めようとする熱く濡れ
た膣壁は,その根元まで包み込んだ指をギュッと強く締め付けてしまう。
「あっ・・はっ・・くっ・・はあぁ・・」
 男の肩を掴む東城の手が,ブルブルと震えた。
・・あぁ・・ぅ・・腰を動かしてしまいそう・・いや・・真中君・・助けて・・・
 自分の体は,既に自分の体ではなくなっている。
 本当ならば,声を上げて身悶えしたいほどの悦楽・・
 しかし,東城は,最後に残った儚い理性に,懸命に縋っていた。

・・感じてはダメ・・感じてはダメ・・真中君・・真中君っ・・・・
 救いを求める東城の祈りは,無情にも痴漢の指によって蹂躙されていく。
 秘裂から溢れ出た熱い蜜は,太腿にまでその雫を垂れさせていた。
 真中に対して,この自分の体の裏切りは,とても許せるものではない。
 だから,小さな濡れた秘口を,それ以上押し広げられたり,膣壁を擦り上げられたりしないのは
喜ぶべきことだった。
 しかし・・
 情欲に支配された体は,絶頂を切望し,焦がれ,気も狂わんばかりに焼き付いている。
 あと少し・・指を動かされるか,最も敏感な突起を捏ねられるだけで到達できるのだ。
「はぁうぅぅ・・っ! くっ・・うぅぅ・・・んんんっ!」
 バスの揺れで小さく指が振動し,正面からの指が闇雲に動いて最も敏感な突起をかすめるのが堪
らない。
・・そ・・そんな・・っ・・ひどい・・腰が動いてしまいそうになるのに・・っ・・
 少しでも気が逸れると,或いは,あとほんの少しの刺激を加えられてしまうと,体が衝動に支配
されてしまいそうだった。
 東城は,何度も唾を飲み込み,腰を動かそうとする欲求と戦う。
 イキたい・・
 もっと,されたい・・
 腰を動かして,思う存分に気持ちよくなりたい・・
 だんだん大きくなる体の悲鳴は,そこから目を背けようとする主人を裏切り,最後の一押しを得
ようと,暴風となって体の内部を吹き荒れた。

 ガタン・・
 そのとき,車内の大きな揺れに,東城は前の男に縋り付いた。
「あっ・・」
 体重が乗った体が男に密着し,パンティの中が強く指に擦りつけられる。
 埋め込まれた指が内部で『く』の字に曲がり,膣壁を擦り上げる。
 それは,東城に残った最後の理性を突き崩すのに,十分すぎるほどのきっかけとなった。
「くああぁ・・ぅんんうっ!」
 その瞬間,東城の背がクッと硬直する。
 火花が頭の中で散ったような,白い何かが爆ぜたようだった。
・・あああっ! いけないっ!・・・
 心の中で叫んだときは,もう手遅れだった。
 腰が自ら,秘肉を捏ね潰すように指に押しつける。
 花びらの間に,男の太い指がめり込んでいく。
「・・・・っ!!」
 息が止まるほどの快感に,東城は声を失った。
「ぁ・・ぁぁ・・・・う・・」
 全身に大きな震えがブルッと奔り,体は歓喜と悦びに包まれる。
 そして・・あの,絶頂時の大きな波が一気にやってくる。
・・イ,イクっ・・イッちゃううっ・・・も,もう・・いやぁあああぁぁっ・・
 体のピクピクとした痙攣の後,次いでぐったりとした東城は,自分がとうとう真中を裏切ってし
まったことを感じた。

 一度,絶頂に達した体は,鎮まるどころかますます強く次を待ち焦がれている。
 秘部は熱く,男の指遣いが恋人のもののように心地よい。
 あの絶頂の快楽を一度味わってしまうと,もう自制は効かなかった。
 腰が無意識のうちに,ゆっくり,ゆっくりと動き始める。
「はぁ・・ぁ,んっ・・うぅ・・」
 男の指を,敏感な突起に擦りつけるように・・
 埋め込まれたままの指が,腰の動きで膣壁を擦り上げ,奥まで犯すように・・
・・ああぁ・・・何て・・何て・・っ・・
 東城は,自分の腰のイヤらしい動きに,絶望を感じずにはいられなかった。
 それと同時に,表裏一体となって感じる,官能に満ちた深い悦び・・
 いけないことと分かっているのに,この背徳的な甘い誘惑はどこまでも深い。
 理性が完全に崩れてしまいそうなほど,恍惚として・・
 今まで恋愛というものに縁遠く,真面目な文学少女と囁かれてきた東城の身には,なおさら抗い
難い,甘美な誘惑だった。


「東城は,イケナイ子だなあ」
 ふと,囁かれた耳元の声に,東城は振り返って呆然とする。
「鍛冶・・・先・・生っ・・」
 大きく見開かれた瞳,小さく掠れた声は,東城の驚愕の大きさを物語っている。
 東城の目の前にいるのは,紛れもなく体育教師,鍛冶だった。
 鍛冶は,ニヤリと笑った。
「東城が,痴漢されて自分から腰を振って,イこうとするような女の子だったとはな・・・情けな
い。先生は悲しいぞ」
「ち,違っ・・・」
「まさか東城が,そんな子だったとは・・・他の生徒が知ったら,どう思うか・・」
「そっ・・」
「さあ,それじゃ,行こうか」
「ど,どこへ・・ですか」
 手を引っ張りかけた鍛冶に,東城は混乱した頭のまま聞き返す。
「当然だろ」
 悠然と答える鍛冶は,東城の顔や体を舐め回すようなイヤらしさで見つめた。
 その寒気に,一歩後退ろうとするのを鍛冶は許さない。
「ここが俺の家の近くなんでな。来い。生活指導してやる・・・みっちりとな」
 口元を好色そうに歪めた鍛冶の頭上で,バスのアナウンスが停留所を告げる。
「停車します。美しが丘,美しが丘・・」
「ほら,降りるぞ。生徒を矯正してやるのが教師の務め。秘密は守ってやってもいいぞ」
「そんな・・・そんなこと・・っ・・て」
 ワナワナと身を震わす東城は,これが終わりではなく始まりであることを知った。


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